雨のきみ

きみの 雨は すべてのひとに やさしくて

ぼくはいつも 吐息とともに見上げている

みんな きみの雨をまっているから

ぼくはいつも ひとり

世界のすみっこで ひざをかかえて見上げている

そうして

こんな独りのぼくのところにも

きみの雨は やさしくふりかかる


すべてのひとが みな思う

この雨は じぶんのために ふる雨だと

このやさしさは じぶんのものだと

きみの雨の ふしぎ

きみの雨の 美しさ


だからぼくも こっそり思う

きみの雨は ぼくのものだと

きみのやさしさは ぼくのものだと


世界のすみっこで ひざをかかえて見上げながら

ぼくは ひっそりと

ふりかかる雨に てをのばす

虹をのせた ひとつぶたちに

雨のきみに

きみの ふしぎで 美しい雨に

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