ワインの別れ

グラスひとつを あのひとに

グラスひとつを あのひとに

グラスひとつを わたしに


紅いグラスを 三つ重ねてようやく

わたしは 別れができました

たぶん 別れができました


もう二度と会えないのですね

陳腐な言葉が 現実で

物語より 冷酷で

涙もないのが 残酷で


だから もうひとつ

グラスを傾けることにしたのです

紅いグラスを 傾けることにしたのです


あなたの人生に

わたしは 少しでも いたのでしょうか

あなたもわたしを 想って

グラスを傾けることが

あったのでしょうか

今夜のわたしが あなたを想ったように

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