大事な仕事を夢中でしているとき

一週間　連絡しなくても　何も言わないのに

なんだか　いろいろ　うまくいかなくて

疲れたなぁって　思ったりすると

おーい　ちゃんと生きてるかーい？　なんて　

可愛いスタンプが来て　クスっとなる

なんでわかっちゃうんだろうな

今日はずいぶん　よく月が見えるなぁ　なんて

普段は見上げもしない　仕事帰りの夜空を見ていると

「ねぇ、今日の月、すっごくきれい！」って

弾んだ声で　電話が来る

なんだか照れくさくて

そうか？　見てなかったよ　なんて　言ってみる

きみとぼくは　遠くて近い

新幹線の世話にならなきゃ　触れることもできないけれど

きみは　いつも変わることなく　ぼくのそばにいる　

来月は　きみの誕生日

月影のさす　殺風景な部屋　本棚の奥　赤いリボンの小さな箱

澄んだ月光のなかで　ベッドに寝転んで

ぼくは　また　頭の中で　きみに箱を差し出す　予行練習をする

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