世界観に良く合った、海外ドラマのような軽妙な台詞回しに惹かれてするすると読み進めてしまいました。この作品はMCAIという組織に属する、少々特異な力やそれの知識を持つ面々による犯罪捜査録です。「魔法」「呪術」といったものが実在してしまった世界で起こる事件は、やはり常識の通じない奇妙で不可解な謎に包まれています。魔法を使うテロ組織に有り得ない腕前の狙撃手、策謀渦巻く選挙……様々な思惑の絡み合う今回の事件。鍵を握るのは傭兵国家出身の少年です。非日常的な世界で起こるドラマに、読む手が止まらなくなります。
これだけの設定と人物を無理なく描いていることに、まず脱帽。世界観はアメリカの裏社会のようだが、そこには超能力が横行して……武器や組織の緻密な描写が、無理なく読者を引き込みます。お勧め。
豊富な知識とよく練られた世界。そして、登場人物たちの軽妙な会話。まるで、ハリウッドの映画のようでした。最後まで一気読み。
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