夢月七海

大変なものを読んでしまったという気持ちでいっぱいです。 妹と兄の関係、妹と義姉の関係、どちらもぞわぞわとしています。読書中に「うわああああ」と何度思ったのか分かりません。 醜いはず…続きを読む

過去のデータを収集するために、人が住んでいない荒れ果てた地球へ向かう「図書艦」――この設定だけでも、胸を掴まれました。 SF映画を見ているような、緊迫感と驚きが味わえます。 最終話…続きを読む

過去に亡くなった人物を助けるために、主人公が奔走するという話自体はベタですが、舞台設定と展開が目を見張るほど新しいです。 リスポーン地点が図書館であることを主人公が活かしている点が…続きを読む

「私だけにしか見えない図書館」という心惹かれるフレーズから、素敵で幻想的な風景が広がっていきます。 本を読むこと、物語を想像することの根源的な幸福を、いま一度見つめ直していくようで…続きを読む

図書館で暮らしてみたいという願いを、ただひたすらに考え抜いています。 本と図書館の愛に溢れた作品で、共感することも多かったです。 私の町の図書館だったらどうだろうなーと、一緒に考え…続きを読む

図書館ですれ違っただけの相手に、恋してしまったＪＫの気持ちを、ストレートに描き切っています。 苦さ、切なさ、それらを経験して、成長していく彼女がとても愛おしかったです。 「薔薇香る…続きを読む

読後に、息苦しくなってしまいました。 少女の行為とその感情との間で、自分自身が張り裂けてしまいそうな気持ちです。 彼女を本当に救うためには、どうすればいいのか、読んだ後に考えてほし…続きを読む

小さな小さな奇跡のお話を、美しい言葉で畳み掛けるように描かれています。自然と息を呑んでいました。 本を読んだ時の喜びを思い出したり、その本に関する思い出に触れられたり、自分の読書体…続きを読む

街から街へ移動する図書館や、巨大な剣を抱えてそこを訪れた少女など、冒頭から胸がときめく描写でいっぱいでした。 個性的なキャラクターも、この世界観の謎に迫っていく様子なども、非常にわ…続きを読む

人外好きを自称していますが、この二組の発想は無かったので、目から鱗でした。 夢と見間違えてしまうほど不思議な光景ですが、とても可愛らしくて和みました。 図書館でぜひ遭遇してみたい出…続きを読む

客が滅多に来ない、とある図書館の司書さんたちのお話です。 休憩中のお茶とおしゃべりが大好きな、とても気さくな人たちです。 ここへ行ってみたいのか、絶対に行きたくないのか、読者で意見…続きを読む

ほら吹きのお爺さんから語られることで、一気に物語へ引き込まれる気持ちになれます。 夏の図書館での不思議な出来事が、夢幻というよりも、強烈すぎるイメージとして、描き出すことが出来まし…続きを読む

新人が入ってきたことに、びくびくしている主人公とその隣の後輩の会話が中心です。 彼女たちと私との感覚が全く違うので、「？？？」と思いながら読み進めていくと、はっとしてくすくすしてし…続きを読む

ゆったりとした二人の時間とやり取りが、多幸福感へと繋がっていきます。 二人の視点がそれぞれ分かれているので、読み進めていくと彼らの思いやりが伝わり、より温かい気持ちになれました。 …続きを読む

子供らしい言動の二人のキャラクターが、意外な背景を持っていると分かった時に、強い驚きがありました。 まさにＳＦといった作品で、現実との地続き感が味わえます。 何故図書館に暮らしてい…続きを読む

会話文のみで構成されている一編です。 しかし、自分も図書館に佇んでその会話に耳を傾けているような気持ちになれます。 不思議な所が多いので、作品の描かれていない裏側を想像させられます…続きを読む

図書館がきっかけで距離を縮めていく男女の様子が、とても可愛らしく思いながら読みました。 ちょっとしたことで話が展開していくところや、二人のキャラクターもまた素敵でした。 言葉遊びや…続きを読む

動きの比喩などから、作者の優しい視点を感じられました。 昼間の騒がしさが嘘のように静まり返った図書館の光景が、目に浮かぶようです。 余韻のあるラストにも、心が満たされていきました。…続きを読む

不思議な光景を、主人公の独白の中で驚きながらも淡々と描いています。 美しくて幻想的な瞬間を、静かな気持ちで受け入れているようでした。 最後の一文も、心にじんわり沁み込んでいきます。…続きを読む

童心に帰れて、ほっこりした気持ちになれました。
実在するテレビ番組に関する小ネタもあり、読んでいて楽しいお話です。

少女と少年、二人の視点から展開するので、それぞれの気持ちが伝わってしまい、それが余計に胸が苦しくなるようでした。 読後の余韻が、不思議な感じです。このままではいけない、このままでい…続きを読む

短い語り口の中で、読書の心理について近付いているように感じられました。
さらりと読めて、心が温かくなり、またじっくり本を読んでみたいと、そう思える作品です。

記憶を本、それを収めている脳を図書館として描いているのが、とてもユニークで、また幻想的でした。 出来事を本としてとらえることは、色んな想像を広げさせてくれます。 そこで暮らす司書と…続きを読む

図書館を、本を読む場所というだけでなく、人と人とが交差する場所として描かれているのが印象的です。 また、人と本との出会いと別れも、じっくり丁寧に描かれています。 優しい気持ちに慣れ…続きを読む

ぽんぽんとテンポの良い展開に、驚きと意外性がぎゅっと詰まっています。
地の文も会話文も、くすくす笑ってしまいました。
最初から最後まで、ただただ楽しい一編です。

本と物語が好きなら、共感できる感情が描かれています。 私も、こういう人と出会いたい、こんな傑作を書いてみたいと、未熟な物書きながらに、そう思っていました。 図書館で暮らしながらひた…続きを読む

あまりに壮大な冒頭に、口がぽかんと起きました。
その後に次々と人類に降りかかる苦難に、なんだか笑いが込み上げて来ます。
風刺や寓話ともちょっと違う、可笑しみの溢れた物語です。

これから始まる、大きな物語の触りを読んだような、わくわく感を味わえました。 どうして怪獣当番がいるのかについての謎が分かった後、一人の小学生の台詞に、ぐっと胸を掴まれました。 SF…続きを読む

ゲームのように説明されていく世界観に、読み進めていくと呑み込まれていくようでした。
最後に納得して、にやにやしてしまいます。

掴みから最後の一文まで、ずっと高揚した気持ちのまま、読み進めていきました。 激しい戦いが繰り広げられていますが、何故だかくすっと来ることが多いです。 一話毎についている妖精図鑑も、…続きを読む

それぞれの日常からはみ出す瞬間が、言葉遊びを交えて描かれています。 ぶっ飛んでいるけれど、ギャグになり過ぎない、楽しい時間を過ごしたような気持ちになれました。 隣人としてのモンスタ…続きを読む

味わいが全く異なるお話の数々が、とても魅力的でした。
短いのでさっくりと読めるのですが、余韻もしっかり残します。
なんだか贅沢なものを読めた気持ちになれました。

設定がとても上手くて、「なるほどこう来たか」と頷きながら読み進めていました。 特に主人公が魅力的で、また会いたいと思わせるほどです。 十月という月を、なんだか好きになれる一遍でした…続きを読む

まるで焦りのあまり早口になってしまっているかのような、主人公の語りが、テンポよく読めました。 所々で、にやにやとさせる表現もあります。 最後まで、どうなるか分からないハラハラ感が、…続きを読む

いつも一緒にいた10月31日、大好きな彼女が段々と変わっていく様子を見つめる、語り手の「俺」の切ない気持ちを描かれています。 最後に驚きがあり、そして、ほっこりするので、読後感が素…続きを読む

モンスターが人々の生活のすぐ近くにいる世界が舞台で、意外な展開と発想に驚かされました。 最後までどうなるのかが分からなくて、ドキドキしました。 寓話のようで、優しい口調ですが非常に…続きを読む

感情がむき出しになったかのようなエッセイに、打ちのめされるかのようでした。 大好きな人の訃報、悲しみと自身の苦しみをしっかりと描き切った後に、そこから立ち上がろうとする機会も語られ…続きを読む

主人公とモンスターののんびりとした会話が、非常に魅力的です。 しかし、モンスターの言葉の端々や、描写のちょっとしたところに、モンスターの生活大変さなどを感じさせられて、そこもまた印…続きを読む

短くてサクッと読める中でも、不気味さと恐ろしさを肌で感じる一遍でした。 お爺さんの一言で、作中の気温が一気に下がったようにも思えます。 ただ単純に「怖い！」だけでは済まされないよう…続きを読む

個性的なキャラクターの掛け合いを、テンポよく読めました。 ジャック・オー・ランタンが登場する以外は、ノンフィクションじゃないかと思えるくらいリアルです。 大分悲惨な告白ですが、正直…続きを読む

非常に人間臭いモンスターたちのやり取りに、くすりとしてしまいます。 グダグダとお酒の飲み交わしている彼らが、とてつもなく愛おしくてたまりません。 ハロウィンは頑張れ！　と、エールを…続きを読む

是非とも、この町を訪れてみたい！　と強く感じさせる一作でした。 ほんわかとした語りですが、描かれているそのものに、飲み込まれてしまいました。 このモンスターとの出会いは、忘れられな…続きを読む

最初のドタバタから、最後のシーンまでの展開が見事で、こちらが笑顔になっていました。
特に最後の独白は、胸に突き刺さるものがあります。
たくさんの人に読んでほしいと思いました。

最初から最後まで、ぞくぞくしっぱなしのお話です。
何も知らなければ、普通の結婚式に見える所が、一番怖いです。
二人の未来を想像して、より恐ろしく感じました。

お下品な会話の内容ながら、そこがどう転がっていくのか分からないのと、お互いの腹の探り合いのようで、妙な緊張感がありました。
非常に可愛らしい二人で、とてもニヤニヤしてしまいました。

終始、「とり屋」の主人が、読者に語り掛けてくるという体裁の小説です。 タグに「落語」とあるように、文字だけのその語りが、段々とリズムや息遣いまでもが聞こえてきそうなのが、たまらなか…続きを読む

書く人にとっては、「さいわいなことり」のおっちゃんの言葉は、この上なく甘美に聞こえるでしょう。 しかし、それに対する主人公の選択とその後に続く言葉は、ただただ胸が熱くなりました。 …続きを読む

なんだか懐かしい、青春劇のような読み心地でした。 よそよそしさのある二人が、段々と打ち解けていく様子が、細やかに描かれていくので、強く引き込まれていきます。 ラストの一文は、後に残…続きを読む

老人と孫の会話が中心の物語です。 二人の会話と心情と言葉遊びから、その世界を覗き見していく感覚が、とても新しかったです。 読んでいくと、段々と、怖いような可笑しいような切ないような…続きを読む

丁寧で、とても美しい言葉で彩られたお話です。
メルヘンチックですが、また少し切なくなるのも特徴だと思います。
最後の一文は、とても優しい気持ちになれました。