GB（那識あきら）

　戦災ですべてを喪った料理人が辿り着いたのは、迷い森に佇む革命軍の拠点――ダグラ森の砦だった。心に虚無を抱えながら砦で生きていた彼はある日、行き倒れていた狐獣人の子供を拾う。 …

戦国の世。燃え盛る炎に囲まれた城に、主従が残されていた。 年上の姫と年下の護り役。 最期の夜に、二人は初めて己の思いを口にする。 そして結ばれた約束は、令和の世に続く。 生まれ…

「楽士との旅――ヤーゲイ・ガナルの手紙」の後日譚です。 主人公のヤーゲイが兄の部屋で酒呑みながらくだまいてるだけです。 東洋　夏@summer_east様 作のtwitter診断…

検閲・編集済み。 これは、〈窕を彷徨いし者〉の記憶の残滓である。 ◇ こちらは、風土記系ＦＴ短編小説競作企画「調」に参加している、『恍惚』というお話の関連作品です。 単体でも…

『ツツハコ――記憶の残滓』より。 これは忠告だ。もしあなたが×××の女神に翻弄される覚悟を持たないならば、ここで読むのをやめたほうがいい。 本来、×××というものは不可逆的であり…

風土記系FT短編小説　競作企画「調」の参加作品 『世界最後のトラベラー』https://kakuyomu.jp/works/16817139556698985768 ならびに 『…

ある日、南の空から灰の嵐が大きく膨れました。 湖の縁に並ぶ丘の一つから、地面も空も水もはいいろになって、空からも地からも生きているすべてが灰に変わる音がしました。 [削除済]さ…

大図書館に勤めるトラベルは、故郷不明の存在喪失者である。 期末試験の一環で『世界最後の詩』を探すはずが、とある生徒の実験に巻き込まれ、本来の行先ではない滅んだ世界―――通称『禁書…

トウム・ウルは空に暮らす大きな生き物だ。翼はなく、島ほどの大きさで、泳ぐように空を飛ぶ。そのトウム・ウルの背中で暮らしているのがトウム・ウル・ネイだ。 　＊　＊　＊ これは、…

船乗りジョセフの手紙が、寒い街から届いた。 今回の旅は、世界の果ての海からさらに、その先へ。 年に2回だけ行き来ができる『違う地図』の世界。 競作企画『異風調』参加作品です

古に存在していたという北の小さな島国アイデリア。 狼が祖先であるという伝説を持つ一族が治め、文明に頼らず狩猟を中心とした素朴な生活を守っていたとされる。 しかし、８００年ほど前に…

とある学生が「アッケンデーレ」という植物についてレポートに纏めるために『炎の平原』に赴いた時の日記を見返す。 短編小説競作企画「調」#異風調 http://still-in-…

神々の愛でたもう美の諸相が、いかにしてしたたかな商人を危険な賭けに誘ったか。そのいきさつを、本人の手蹟になる文よりここに要約する。若い夜盗の詭計と親切心のこと。つけたりとして霧の…

風土記系競作企画「調」参加作品です。 どこかの調査機関に勤めるあなたが受け取った謎めいた書類。 封入されていたのは海と龍の星アルマナイマで調査を進める新人調査員マルコからの報告…

　樫の森の妖精王サルヴァンの弟子レイヴンは、小人のボルトとともに、遠く離れた西方の山脈の調査を命じられた。古代王国の遺跡を探しだし、そこに眠る〈黄金の騎士〉の存在を確かめよ、とい…

やっかいな老魔術師に仕事を押しつけられた少年魔術師のフレンとタナエス。海の向こう、南の大陸の平原で目撃されたという謎の現象の調査に乗り出した二人は、そこで予想外のものを目撃する。…

　まだ人と人ではないものが共存していた時代。小さな妖精の悪戯と些細な諍いから始まった、世界を滅ぼしかねない《大戦》。 　その混乱と苦難の時代がようやく終わりを迎えて数年後。一人の…

異界を渡り歩き、声を持たぬとされている精霊の声を聞き、精霊に歌を捧げる回遊民である「界渡（かいわたり）」に関する調査報告書。 ※横書き表示推奨 ※風土記系FT短編小説競作企画「…

◆あらすじ 異世界から【この世界】に突然飛ばされて一年。 クロウは、喫茶店の店主アレイズに拾われて生活していた。 アレイズの持つ特殊能力を活かす、という条件で。 ◆主要キャラク…

　今ある記憶を全部なくしてさっぱりしたい「わたし」は、医師の診断がなくても記憶を消してくれる店があるという噂を聞きつけて、この不思議な街にやってきた。どうにか見つけ出した狭い店に…

つれづれに綴りつづけた短い文と言葉です。 金平糖をつまむように、口寂しいとき、めずらしい甘味はいかがでしょうか。 （つながりはないので、どこから読んでも大丈夫です） ＊ストック…

昆虫好きな少女が、親戚の昆虫学者「夏トンボ博士」に出会った夏。離れ小島にわたった少女は、運命が決定的に変わってしまうことを知りませんでした。

下級貴族の庶子・スケイルは、父の死を境に生活の支えを失ってしまった。これといった才覚もない彼が飛びついたのは、「ダンジョン管理」という濡れ手に粟の生計手段――だが、その「ダンジョ…

物語師になるために故郷を旅立った少年は、旅の途中でひとりぼっちのドラゴンと出会います。 ふたりはたちまち親友になって、数え切れないほどの冒険を一緒に繰り広げました。 それから…

栄華から一転、一瞬にして地獄と化した城塞都市。十万の市民はゾンビとなって死後も彷徨い続けている。 歩く死体となった人々を葬ってやるために、少女は大群のハエを唯一の武器として地獄（…

『ほし』から届く秘密のラジオ。 そのラジオと同じ声を持つ男の子と出会って、あたしの冒険は始まった――！ ※ 13歳の女の子ナナセは、孤児のリーダーとして相棒シンと共に今夜も街…

この山には人食い鬼が出ると謂われている——。 浮世離れした旅の坊主と、後生大事に抱えたひとつの葛籠。 山で出逢ったのは、果たして。 続編がスタートしました。 → 【首葛籠】…

ご近所さんで同級生。 真子と篠田家の次男の幸弥の、ゆっくりだけど堅実な、甘さ控えめの恋物語。 心に残る風景を共有したい相手は誰ですか？ スマホではなく、携帯電話の時代の物語です…

ご近所さんでおとなりさんの正宗とわたしは、同級生で二十七歳。 この正宗くん、顔ヨシ、性格ヨシ、スタイルヨシで、ご近所でも評判の青年である。 わたしとは、全く違う世界にいると思って…

自称鼻のきく盗賊サルマは、お宝の匂いを辿り、小さな島にやってくる。そこで出会った少女、アイラからはお宝の匂いがして―――そのアイラの家にあったコンパスは、持ち主の行くべき場所を示…

ゲームを通じて知り合ったOと、ボイスチャットをしていて聞いた話。 ほぼ実話です。

地上300メートルに浮かぶ巨大なフラットドローンの上。足元の電磁床に浮かぶマークは15番。マークの向こうに透けて見える都会の夜と、ひときわ明るくライトアップされた王立競馬場と、俺…

中世欧風異世界ファンタジー。『塔の上のレイヴン』シリーズ本編。 第一部『魔犬と少年』：アイホルム大公家の公子クルトは、〈影の王〉の生贄に選ばれた。女大公ティアナはクルトをグレイヴ…

２４時間戦えますか？　残業６時間戦えますか？

言葉を解する黒い鳥を相棒に、諜報活動を続ける「鳥聴き」。 そのひとりである沙江は、ある重大任務を受けることに。 　◇　　◇　　◇ 世界観設定は例によってガバガバですが、雰囲気…

親戚の葬儀の場で出会い、毎回顔を合わせる明晴叔父と私。 身内との付き合いが少なく、周囲の事が何も分からなかった私は、年を重ねるごとに叔父の思いや事情を知り、そして大人になっていく…

　宇宙の何でも屋、三毛猫商会に、大企業プラナル・コーポレーションから仕事が持ち掛けられた。 　仕事の内容は、「社長の娘をエレメン星系に連れて行くこと」 　娘、イリア・サンダースは…

近所の誰とも付き合いはなく、毎日仕事に行って帰る日々の私。 ある日スーパーで聞いた歌が気になった私は、歌詞の一部を検索しようと「どんな」と入力したところで、不思議な予測変換を見つ…

保管室に安置したはずのミイラ男が突然起き上がって現れた。 男が要求してきたのは眼鏡だった。 第二回銀縁眼鏡文学大賞でちょっと思い付いてしまったものです。 文体診断ロゴーンの上位…

賢者様の弟子になることが決まった少年アトラは、塔で学問に勤しむ日々をとても楽しみにしていた。けれど師匠はなぜか彼に弓矢を装備させ、謎の地下迷宮に連れてゆこうとする。この途切れ途切…

本棚と壁の間のところに、細い扉が現れる。毎晩だ。父さんも母さんもこのことは知らない。これから、中を確かめる。 （KAC2022　お題：真夜中）

「お前は本当に使えない弟子だね、猫の手でも借りた方が百倍マシだよ！」 　口うるさい魔女の師匠にそう言われたので、作業部屋に野良猫を十匹入れた。ついでにあたしも猫に変身した。 （…

大多数の人間が、給液管を通した経口栄養液で「食事」するようになった未来。 「僕」は、旧様式を維持した生活をする人々を訪ねるが── Webコバルトの「ディストピア飯小説賞」最終選考…

多鶴子は婚活サイトで知り合った男性と何となく結婚してしまう。最初はスペック的に十分だと思って結婚したものの、やっぱり男性的な魅力を感じられず、退屈な結婚生活を送ってしまう。 そん…

あたしはつい最近、推し変した。 推し変とはつまり、推しを鞍替えすることだ。

空に大きな黒いヒビが入り、そこから巨大な竜が姿を現した。一息で国ひとつ焼き払う悪しき存在を倒してこいと、聖剣一本渡されて放り出された生贄勇者。なぜか後ろをついてくる、災厄の竜に興…

新天地で一人暮らしをはじめた僕が出会ったのは、キツネを自称する女子高生だった。 協力・茨城県龍ケ崎市

憧れの二刀流について真剣に語り合う青年達。どういうシチュエーションが一番映えるか議論する彼らと、それを白い目で見守る幼馴染の女の子。今日も旅路は平和。 （KAC2022　お題：…

宝を求めて火の中水の中、常に極限状態で旅をしている冒険士達にはとにかく金がない。宝探しばっかりしているからだ。だから少しでも食費を安くしようと、彼らはどことも知れぬ秘境で狩った獲…