千里の道

作者 ぽち

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★★★ Excellent!!!

自分、って一体何だろうかと思います。
流行り物の異世界転生の話ではなく、いえ、転生といえば転生なのですが。
昔の自分をあっさり捨てる事が出来る人もいれば、そうでない人もいる。

主人公の千晴も異世界へ連れてこられて、人間の女子高生という姿を喪い、その世界の根幹となる存在へ転生します。
でも記憶がなくなるわけじゃない。新たに転生した姿は人の形をとっていても、ヒトではなくて。
戸惑いながらも、こちらの世界の住人の為に、自分の役割とは何か。
自分ってなんだろうかと歩む、彼女の『道』に惹かれていきます。

そして異世界で千晴の仲間となる『賢竜』の皆様。
どなたも麗しい…。まだ全員お会いできていませんが、楽しみです。

★★★ Excellent!!!

「赤い髪の青年」に攫われ異界へと連れてこられた少女が、自分の役割を知り、それを受け入れがたく感じて葛藤し、受け入れようにも方法が分からず、もがくように道を模索する物語。

彼女を迎えた世界は決して優しくはなく、そこに住む者たちも厳しかったり辛辣だったりと、千晴の境遇に気持ちを寄せてくれるわけではありません。
そんな中でも千晴は、相手を理解し会話を重ね、自分にできることを探すことで歩み寄ろうと頑張っていく。その過程は、結構かなり凄絶。

千晴だけでなく、他の賢竜たちや、千晴と関わる人々も、割と容赦ない運命を背負いつつ生き様を模索しています。それがしっかり描かれており、心を揺さぶられます。
誰かが誰かと出逢うことで、救われたり、心のあり方に影響を受けたり。そういう繊細な部分を丁寧に描こうとしているのがとても好感です。

果たして千晴は、理不尽とも言えるおのれの運命を受け止められるのか……?
是非、物語を読んで見届けて欲しいです。