概要
憎かった、愛していた、役に立ちたかった
ある日、南の空から灰の嵐が大きく膨れました。
湖の縁に並ぶ丘の一つから、地面も空も水もはいいろになって、空からも地からも生きているすべてが灰に変わる音がしました。
[削除済]さまの滅ぼしたヴィダの荒地がカッと光って、海色の筒の膜に沈みました。色の無い雷が境目で激しく光って、光を知覚で見た人々は、羽の一筋も残さず灰になりました。
マモノがたくさんいたと聞く、海の国の廃城でも水色の光が現れたと聞きます。
けれど、噂を確かめに行った人は戻りませんでした。
フラクロウは真っ先に湖辺領も、天領も、丘も、王都も灰でいっぱいになりました。灰の地には一切の色もありません。
守ってくださるものを殺し尽くした翼人たちには、救いがありません。
そうして、灰に覆われて死にゆく星と、僅かな命を逃す浮島が残ったのです。
『灰の怪 ほろびのひ』より
湖の縁に並ぶ丘の一つから、地面も空も水もはいいろになって、空からも地からも生きているすべてが灰に変わる音がしました。
[削除済]さまの滅ぼしたヴィダの荒地がカッと光って、海色の筒の膜に沈みました。色の無い雷が境目で激しく光って、光を知覚で見た人々は、羽の一筋も残さず灰になりました。
マモノがたくさんいたと聞く、海の国の廃城でも水色の光が現れたと聞きます。
けれど、噂を確かめに行った人は戻りませんでした。
フラクロウは真っ先に湖辺領も、天領も、丘も、王都も灰でいっぱいになりました。灰の地には一切の色もありません。
守ってくださるものを殺し尽くした翼人たちには、救いがありません。
そうして、灰に覆われて死にゆく星と、僅かな命を逃す浮島が残ったのです。
『灰の怪 ほろびのひ』より