頭おかしいやつ来たな……そもそもおかしいと思わなかったのか、初めての車選びでなんでチューニングの話をする?
答えは単純だ。
お前が異常者だからだ。
車を自分好みにしたい、車に金をかけたい、そんな発想を持って夏のボーナスを溶かし、「給料日まで◯◯円で過ごさなきゃ~」っていう馬鹿なツイートを上司のTwitterアカウントじゃら良いねされてしまうようなろくでなしだからだ。
給料安いって言ってるんじゃないんです。違うんです。今回はマジで僕がやらかしただけなんです。今年発売されたばかりのすげえ高性能なパーツを、2つも、追加してしまった上に流石に年数経って消耗品の交換が連続した上に祖父の二十周忌をお盆真っ只中の飛行機が一年で2番目に高い時期に帰省しなきゃいけなかっただけなんです。あと薬剤師を目指す従妹に見栄を張って「お小遣いだよ~」ってしたし、家族で鮨食いに行った時に「こっちのテーブルは俺が払うよ」とかしたせいです。
あっ、でも給料は上げてください。もしここを上司のどなたかが見ていたら僕は心からそう言いたい。仕事を真面目に頑張っている俺にはご褒美があって然るべきと言えるでしょう。金欠の時に疑義が沢山必要な処方箋を見ると頭がおかしくなって死んでしまうんです。
まあ本題に戻って、チューニングをしたい人が初めての車選びとか言うんじゃないよって話をしましょう。車の乗り心地に対するチューニング、外装なども込でいじるカスタム、どっちもそれぞれ興味がある人は居ると思うんですよね。
今は無理だけど、乗り続けながらじっくり自分だけの一台として練り上げたい、今まで車に乗ったことはないけど、自分にとって最初の一台を自分にとって最高の一台になるまでやり込みたいんだ……そのための最初の一台ってどうすればいいんだろう……?っていう人は……いるかもしれない。居るのか……?
異常者が居る前提で話します。
そんな異常者の為にはトヨタのGR86かSUBARUのBRZをおすすめします。新車で安い車が良いという場合にはスズキのスイフトスポーツがおすすめです。純粋な速度じゃなくてコーナリングを楽しみたいならマツダのロードスターとかも認定中古車で買ってもいいでしょう。ただロードスターは本当に信じられないくらい荷物が載らないので気をつけてください。私の父は古いロードスターに乗っていて、何度か隣に乗せてもらっていますがあれマジで荷物乗らないし、比較的軽量ボディの父が乗るならいいものの、私のようなデカい人間が乗るとマジで走りが鈍る。あれは自分で乗りたくない。っていうか古いだけあってパーツも乗り手も完成形に向けてギリギリまで研ぎ澄まされているんですよね。もう二十五年もののロードスターなんですが息子と違って最新パーツ!とか馬鹿なことやらないのでコスパは良さそうです。ちなみに最新のロードスターは体のでかいやつが乗るとヤバい問題をクリアしていて、特にあのロードスターRFとかいうやつは傑作です。本当に90°曲がるもんな。僕の地元にもロードスターでアホの走りをする気の良い連中が居て、僕が走っている眼の前で突如90°曲がって交差点から一瞬だけ姿を消すアホが居ます。たまにすれ違うんですが、丁寧に車も洗ってるしそれだけで良い奴だって分かりますね。
というわけでチューニングを楽しみたいなら86,BRZ,スイフトスポーツ,ロードスターのどれかを買うと良いんじゃないかなと思います。金か覚悟かあるいはその両方があるならフェアレディZでもスカイライン400Rでも買えばええと思うで。
あとどうしても四駆じゃなきゃ嫌だけど400万円でなんとか抑えたい言うワガママさんはSUBARUのディーラーさんでWRXの中古探してもええし、ハイブリッドに抵抗無いなら日産のディーラーさんでノートオーラニスモ4WDの見積もりとってもらったらええわ。まあ絶対にかかるけどな……400万円……。いやSUBARUの古いFA20DIT搭載車とかならお望みの味にはなるか……なるね。WRXS4の2Lエンジン載せている個体でしっかりメンテされているやつを探すんだよ……。
で、実際チューニングする順番についてもお話しておきましょう。
まずね、何を強化するか……何から強化するか……それは大事な問題です。そして真実はいつも一つ、ブレーキ。ブレーキをね、強化しましょう。良いブレーキが有ればだいたいなんとかなる。あとタイヤは一番良いやつを買おう。POTENZAとかADVANとかそういう名前のやつで自分の車に合うサイズの奴だ。タイヤのグリップが良すぎるとかえって遅くなったりするから、そこら辺はタイヤ屋さんと相談して自分の車に合うタイヤにしようね。
車を弄りたい人なんてだいたいアクセル踏みすぎるんだから、ガッチリしたブレーキを最初につけておかないと何をしでかすか分かったものじゃありません。DIXCELってメーカーのブレーキパッドを使えばだいたい間違いはありません。ブレーキキャリパーとかローターもガッツリ変えてやれば最高ですが、かかる金額に対する効果という観点で考えるとブレーキパッドを変えても足りないことを実感で居るようになってからでいいと思います。金が無限にあるならブレンボってところで買えば幸せになれます。
ブレーキを良くしたら次は足回りです。足回り、即ちサスペンションですね。全力で走ると車の重量や衝撃を受け止めるサスペンションにえげつない負担がかかります。これが弱い車、例えば安くて使いやすいみんなの味方ことダイハツのとある軽自動車で全力疾走と全力コーナリングをさせると、衝撃に耐えきれずに車がコーナーからふっとばされます。遠心力ですね。車がコーナーからふっとばされると運が良くなければ死にます。なので激しい衝撃を受け止められるやつに付け替えましょう。これは車種によっては、というかチューニングベースになるような車ならだいたい最初から高級なサスがついていることも多いのでよほど古くてヘタってない限りはそこまで気にしなくてもいいです。具体的に言うとGR86とBRZの純正サスは高性能で有名です。
そしてこれでやっと「スピードを出して死なない基礎」が育まれた訳ですね。ここからエンジンとか給排気のいじりに入っていくのですが、チューニングを始めたばっかりなら吸気は純正交換型が無難だし、排気にあたるマフラーも変に変えずにむしろ錆止め塗料をきっちり塗ってもらうくらいでいいんじゃないかなと思います。出足が持ったりすると感じたらECUだけちょっといじってもろて……それできれいに完成させたブレーキやサスの足回りの良さを存分に活かすような走り方を少しずつ学んでいけばいいと思います。
車に乗るまではうちの父親はそんなに車のことを教えてくれなかったので、私は今の愛車を譲ってくれた方に教えられながら自分で学びつつここまで来ました。色々自分なりに試行錯誤もしたのですが、そうやって気づいたのはまあ正直大事なのは予算だということです。車は実質ペット。
楽しい車ライフを支えるのは予算です。大好きな猫ちゃんワンちゃんファンシーラットちゃんにはラグジュアリーな暮らしをさせてツヤツヤでいてほしいですよね? それと同じです。予算ギリギリで買える車ではなく、予算の中で最大限大切にできる車、そういう思想でやっていくと幸せだと思います。車を好きにならないと車を適当に扱って、車を適当に扱うと車は人を殺します。最近、僕の近所で一人亡くなられました。本当に恐ろしいことです。車を好きになると一日のうちの通勤時間が楽しい趣味の時間になるので幸福度は上がります。ぜひ最高の一台と出会って最高のカーライフを楽しんでください。