今日の話題は麻薬でもラーメンでも邪神でもありません。
カレーです。
しかもCoCo壱番屋のカレー。
私はスープカレーを始めとした様々なカレー文化が息づくカレー先進国である北海道に住むエルフです。我々エルフはおおむね「本州(名古屋)のカレー低レベルデース」と思っていたし、実際一度食べに行った時もやはり味や量の割に高く、何故これで続いているのかと不思議に思っていました。しかしある日、そんなエルフの村に知恵が齎されました。
「一部分に(それも端っこ)だけ触れて全体を否定しようとする貴方に物申したい」
https://note.com/ftrongthedebudo/n/n4a7f1a0f0f84そう、エルフは野蛮なのでCoCo壱番屋がトッピングやカスタマイズを楽しむものと知らなかったのです。
しかしこの記事でココイチの秘密を知ったエルフは、この話が真実かどうか知るべく行動を起こします。エルフの村の比較的賑やかな場所にある唯一のCoCo壱番屋に向かい、店員さんに「手仕込み豚ヒレ勝つポークカレーご飯200g 辛さ普通 チーズトッピング」を注文したのです。エルフは脂っこいのと量が多いのは割けたかったので、手仕込みとんかつは避けて御飯の量は減らしました。
まあともかく運ばれてきたカレーに、芳醇ソースをまんべんなくかけていざ実食。
するとどうでしょう。
美味しいのです。
チーズとマッチするルーの味。サクッサクで柔らかくそこそこサイズもある手仕込み豚ヒレ勝つ。ご飯はこの二つを邪魔しない手堅い味わいです。しかもその上から旨味たっぷりのソースが乗る。これは優勝です。
チーズは緑間真太郎の名に偽り無く、カレーの味と完璧にマッチしてもういっそ最初から入れたらどうですかとしか言えないふくよかな味わいを演出しています。成功率100%のスリーポイントシュートと形容されただけあり、本当にもう「最初からそれ使えよ」レベルの調和がとれています。エルフは泣きました。人間よ、最初からチーズを入れてくれ。これを伝えずにエルフの土地に店を立てるなんて、CoCo壱番屋はエルフの無知をあざ笑っているのでしょうか。エルフ差別です。
豚ヒレ勝つに関しては脂身の混じる通常の手仕込みカツの方が良かったと思っています。噂のスプーンで切れる柔らかさについても堪能したり、脂の旨味とチーズ入りのカレールーのマリアージュを楽しむこともできたでしょう。ただエルフは別にトンカツに柔らかさを求めていなかったので、さっぱりとしたヒレ肉とサクサクの衣にソースとチーズで最強になったルーが絡んで旨味暴力とさっぱりヒレ肉旨味暴力を楽しんだので満足です。ボリュームもエルフ村の基準で非常に良いと思います。名古屋の食文化にはエルフも敬意を払っており、とくにその味とサイズに関しては素晴らしいと聞き及んでいたので、もうこの辺りで「本州のカレーハイレベルデース」という気分になっておりました。まあ店によって当たり外れはあるそうですが、私が引いたのは当たりのヒレカツだったのでしょう。揚げたてっぽかったし。
なおこれはエルフスピーチと言われかねないのであくまでジョークとして捉えていただきたいのですが、ゴーゴーカレーや神保町以外にも美味しいカレーは沢山あることが分かって嬉しかったです。
チーズとカツがすごいよって話をしたところで芳醇ソースの話です。一行あけて話始めていることから察していただきたいのですが、このソースが今回の本題です。チーズもカツも、まあ美味しかったんです。カレーとの組み合わせを丁寧に考え込んで作っているので、美味しい。けど芳醇ソースは別格でした。芳醇ソースをかけると「普通」だったカレールーの味が化けました。そして驚くことに、「普通」のカレールーが何故かエルフの村で大人気ハンバーガーレストラン「ラッキーピエロ」のカレールーの味になりました。すなわち旨味の暴力です。とてつもなく味わい豊かな、肉や野菜やスパイスの美味しいを溶かしだしたあの鮮烈な味になったのです。しかもラッキーピエロのカレーはどちらかというとモッタリコッテリしたドロドロのルーなのに、ココイチのルーはシャバシャバです。重量級でゆっくりと叩き込まれる筈の味の奔流が、サラサラのルーの速度で叩き込まれます。異国で同郷の友人と出会ったような懐かしさと予想もしないルーのサラサラ感から一気に食べてしまいました。美味しい。とても美味しい。芳醇ソースです。確かに芳醇ソースこそが鍵だったのです。エルフは考えを改めました。CoCo壱番屋のカレーはとっても美味しい。繁盛するにはわけがある。エルフの村ではさして流行っていませんが、なるほどCoCo壱番屋のカレーはとっても美味しかったです。今後も機会があれば食べに行こうと思います。
多分エルフの村でココイチが流行らない理由は地元のカレー屋さんが同じ値段で肉野菜ドカ盛りなスープカレーを出したり、同じ量のそこそこ美味しいカツカレーを半分くらいの値段で出すからだと思います。けどエルフカレーも人間の村で作ろうとしたらそれくらいの値段になると思います。この味を全国でやっているCoCo壱番屋の企業努力はエルフの村では真似できないものであり、人間のインテリジェンスを感じました。
この食べ方を教えてくださったすかいさんに深い感謝を述べて、今回のカレーの話を以上にしたいと思います。
ここからは雑談なのですが、チーズと芳醇ソースをルーに混ぜれば無限に勝利できると思うので、なにかプラスアルファのトッピングがあればエルフに教えて下さい。ついでにエルフの村を舞台にした異世界麻薬王を読んでください。だいたい今週くらいから村が燃えていく筈なので始めどきです。