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初めての車選び⑦~運転技術編~

 どんなに良い車に乗っていても技術が無ければ虚しいし、逆にどんなに優れた技術を持っていても車がオンボロでは披露できない。
 相互さんが運転そのものに自信が無い、絶対にぶつけると思う、というようなことを仰ってたので「まあ一発ぶつけるくらいのほうが上達早いぜ!」とか抜かす前にこっちで書いておこうと思いました。
 初めての車を選んだ後に運転で気をつけるべきことを書いていこうと思います。その過程で車につけておきたい装備にも触れていきます。

①急発進、急加速、急ブレーキ、急旋回をしない
 アクセルを踏む、ブレーキを踏む、ハンドルを切る、ぜんぶゆっくりやりましょう。法定速度の前後で走っていれば、全て不可能ではないはずです。僕も遅刻しそうな時、のんびり好きな道を流す時、患者の命がかかってる時、深夜に一人で走っている時、いつもそうしています。アクセルやブレーキは早め早めにゆっくり踏んで、コーナリングの時も狙った角度までゆったり曲げてコーナーの脱出とともにゆったりとハンドルを元の位置に戻しています。
 こんな話するのは初めて自分の車に乗る人がだいたいこれをできないからです。何故できないかと言うと、どれだけ踏めばどれだけ早く走れるのか、どれだけ踏めばどれくらい止まるのか、どれくらい回せばどれくらい曲がるのか、初めて乗る自分の車だと何もわからないからなんですね。だからアクセル踏みすぎるし、止まりきれないのに必死でブレーキ踏むし、コーナー入ってから慌ててハンドルを切ります。そういうことするから車も辛いんだよな。
 車の中に宿る精霊と対話して、一つ一つ自分の神経を通すようにゆったりと理解していくと良いと思います。人間は車のパーツの一つだし、車は人間の身体の一つなんだ。だから車は自分の身体を選ぶと思って選ばなきゃ駄目なんですよね。自分の嫌いな車でそんな作業したくないからね。

②視野を広く保つ
 慌てて急アクセル、急ブレーキ、急ハンドルしない為には、道の状況や車の流れをしっかり見て、道路の状態を予測しながら運転することが大事です。具体的に言うとカーブの向こう側から中央線はみ出す馬鹿な対向車が来るかもしれないとか、眼の前の痴呆老人が運転する軽トラがアクセルとブレーキを踏み間違えるかもしれないとか、道に痴呆老人か子どもかその両方が飛び出してくるかもしれないとか、そういうことです。
 車線変更の時に視野を広く保つのは特に大事です。車の流れや感覚から高い精度でコーナーの一つ向こう側が予測できるようになっていると、非常に安全ですね。一つ前の車のブレーキの気配を感じたらこちらのほうがすでにブレーキ踏んでいて相手より早く速度を落とせるようになってくると――気持ち悪がられてすげえ勢いで逃げられます。逆にアクセルの気配を感じて追いかけたら普通に気持ち悪がられて道を譲ってもらっちゃいました。俺は車の流れを大事にしていただけなのに。
 ともかく、ゆっくりとアクセルやブレーキを使うには、周囲の風景を広く見て、早め早めに運転における判断をしていきましょう。
 ついでに言えばバックカメラも大事です。背中に目をつけておくと、背中に目がつくからです。バックカメラで背後を見る感覚を養うと、バックカメラがなくても背後を見るという感覚や、背後を見た時に気をつけるものがなにかという意識が生まれます。バックカメラしか見ないのは勿論駄目。バックカメラを見て、自分の目でもみる。サイドミラーやバックミラーも見る。そうすると色々見えるようになりますよ。


③判断は素早く
 自分がどこにどの程度の速度で向かっているのか、普段使うその道はどのくらいの危険度か、道路はどういう状況か、そういうものを広い視野で見て考えて、自分の車をどう動かすかしっかり決めましょう。最速で判断しないとゆっくり操作できません。あと事故が起きるような緊急事態において死にます。判断が遅い(バシィされます。
 とはいえ、初めて乗る人に素早い判断なんて期待するほうが愚かです。なので初めて車に乗る時は、自分がどの道を走ってどこに向かうのかだけ最低限決めてその通りに走りましょう。予想外の事態があって変更がある場合や引き返さなきゃいけない場合などは、その度にどこに向かってどこをどれくらいの速さでいかなくちゃいけないのか考えると多少判断は早くなります。繰り返すと目的地と道と速度の意識が自然と早くなるし、そうなると車ぶらり旅もできるし、事故リスクの事前アセスメントも容易です。

④ウインカーを出す
 判断をしたらその判断が周囲に分かるようにしましょう。ウインカー出さねえやつとマスクつけねえで病院来る奴は俺が追いかけてしばき倒してやるといつも思いながら運転しています。
 ウインカーやブレーキランプ、パッシングやクラクションといった様々な意思伝達手段が車にはあります。なんとなく車の荷重のかかり方から次の動きをうっすら感じるとか応用編もありますが、それは忘れてください。ウインカーをきっちり出して自分の進む方向をしっかり明示して走りましょう。ゆっくりブレーキを踏めというのも、ブレーキランプを自分の後ろの車にできるだけちゃんと見せて相手に減速する余裕を与えようという話です。


⑤急ブレーキ、急アクセル、急ハンドルをしていい場合
 最後に例外の話をしておきます。急◯◯をしてはいけないと書いたものの、そうでもない場合があるんです。
 それは単純に事故が起きそうな時です。ぶつかりそうな時にはブレーキ、アクセル、ハンドル、どれも駆使してください。アクセルは役に立たなさそうに見えますが、高齢者の運転する旧世代型のポンコツがイカれた速度でかっ飛んでくる時には咄嗟のアクセルも重要です。ブレーキとハンドルでだいたいなんとかなるとは言えこれは覚えておきましょう。
 それと超弩級の人殺し一歩手前バカがこれを読む人の中に居た場合に備えて補足しますが、通常のブレーキで止まれないほどの速度を出して事故りそうなら車体をガードレールにこすりつけてやると運が良ければ人殺しにならずに済むので頑張ってください。サイドブレーキも手引きできるなら無いよりマシです。頑張ってください。
 急加速して良い場合がもう一つあって、高速道路の合流です。これはちんたらやると事故の可能性があがります。私は婚活の際、高速で合流の時だけ本気で踏んだら一緒に車に乗っていたお相手が悲鳴を上げてその時のお付き合いが終了したことがあります。事故の回避は全てに優先されます。そう、俺のお見合いよりも……。みなさんも高速道路の合流はきっちり踏んで、高速道路の車の流れにきっちり合わせて走りましょう。これの応用編で追い越しの時も、踏んだほうが良いといえば良いです。追い越しの時間というのは事故のリスクが大きいので、可能な限り短くしたほうが良いんですね。あとチンタラ追い越しかけてると追い越されそうになってる車がビビって変な動きし始めることもあります。相手が動揺する暇もなくいつの間にか前に出るくらいのスマートさが最高です。
 でも頭文字Dの藤原文太が藤原拓海の使うコースをきれいにトレースしておいて、拓海が限界迎えた瞬間にぬるっと前に出たみたいな「これから抜くからね、はいならんだ、はい抜いた」みたいなのも美しいんですよね。

 さて、今日はこんなところです。荷重移動の話も自分なりにしたいのですが、あれはハンターハンターで言えば念能力の堅とか硬とかみたいな話になってくるのでそのうちにしましょう。この文章が想定しているのはまだ念能力に目覚めてないくらいの人なので、なにかに目覚めたらここじゃなくてもっと良いもの読んで練習してください。
 それではおやすみなさい


追記
当然ですがハンドルは両手でしっかり持ちましょう。脇を締めて角度は9:15(ハンドルが硬いと感じたら10:10)です。咄嗟のタイミングで一気に回せるようにしつつ、普段は最小限の動きで車を動かせます。肘がピンと伸びてしまうのはシートやハンドルの位置が悪いので調節しましょう。9:15なら手は横向き、10:10なら手はやや縦向きっぽくなると思います。(ハンドル形状次第ですが)
バックミラーサイドミラーも同様に、後方から来る車がしっかり見えるように角度は気をつけてください。
良いドライブライフを!

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