中学生の頃から受験を終えたら遊べると言われ、大学に入ってからは資格を取れば遊べると言われ、国家試験を恐らく終えた今、さあ遊ぼうと思ったら、襲い来たのは無数の事務処理。そしてお片付け。騙されたとは気づいていても、今更どこにも行けはせぬ。泣く泣くいそいそ仕事する日々が続いております。
ねえそろそろマジで穏やかで優雅な時間くれません？ クトゥルフ講座のイタクァ編とか書きたいの。人間は余裕を失っちゃダメなんだって。
さて、今日はなんと文庫本を半ページ読めました。あとブラインドタッチの精度が回復しつつあります。この調子でいけば明日は飛行機の中で楽しく読書ができそうだとワクワクしています。完全に系統違う魔術を練習もせずに無理やり行使して父祖伝来の回路ズタズタにしちゃった魔術師みたいな状態なので、このあたりで良いものを摂取してきっちりペースを取り戻していきたいところですね。
今感じているのは、活字を読むことにエネルギーが必要だということです。活字を読むって人間が生きていく上では非常に重要な能力なのに、その為のエネルギーって簡単に失われちゃうんですよね。国試前はここまで簡単に人間って文字読めなくなるなんて思いませんでした。びっくり。
活字を読む能力、文章を読む能力は役に立ちます。学校のテストで良い点をとり、LCCの予約の最中も余計なオプションを外して安く済ませ、ラインやツイッターで好感度を得ることもできます。一見大した関係が無さそうな薬剤師国家試験においても、一瞬で問題の意図を把握し、問題文の各所で提示された情報をピックアップすることで、問題の解答速度がグーンと上がります。素早く解けると見直しができて点数が上がるので良い感じになります。一部の実験考察系問題は日本語が読めれば解けるようになってるんですが、そういうのに限って正答率が低かったりして、やはり人類はおろか……とつぶやき見上げる青い空。悲しみだけが人生だ。
そもそも人間が生きていく空間には文字が満ちていて、それを理解して適切に使うことで人間は文明の恩恵に浴することができます。ですが日々の生活の中で疲れ、力を奪われてしまうとこの文字を読む力が無くなっていく。これって結構由々しき問題で、文字が読めないと文字を読む為の力が奪われていくんですよ。すると読めないスパイラルが止まらない。そうして読めるものと読めないものがハッキリ分かれていくんですよね。これは超やばい。
何故やばいのか？ 体感として、活字が読めるものと殆ど読めないものが混ざってるような環境において、読める側はもうえっげつないくらい強いです。異能バトルものの異能者と一般人くらいの違いがあります。読めるものでも程度の差はありますが、読めるもの同士だと読む能力の程度の差だけでは強弱が決まらなくなるのも異能バトル感すごいですね。
じゃあやばくないじゃん！ 自分だけ読めてれば無双じゃん最高……って思うじゃないですか。違うんですよ。短期的視点で見りゃそれはもう無双ですが、活字を読める人が減ると社会も集団も維持が難しいんですよ。その社会・集団を維持する為の前提or目標の統一が難しくなりますから。そんな維持が難しくなった社会・集団でいくら「俺TSUEEEE!!」って言ってもそんなの未来がありません。一瞬大勝するのではなく、負けないことや小さくとも勝ちを重ねることこそが生き残る秘訣でしょう？ だからこそ、誰もが等しくこの活字を読む力を持てるように、学校で教育する訳で。
ここで話を戻しましょう。今のこの馬鹿みたいに忙しい世の中で、差し出された文章の意図を丁寧に正確に把握できる人間が何人居るでしょうか？ 僕自身、極度のストレスと疲労で読めなくなることが分かりました。世の人だって僕みたいに読めなくなる現象は起きる筈です。しかも、自分が読めなくなっているなんて、そう簡単に気づけるでしょうか。そう考えると今の世の中、皆さんが思っている以上に読めない状態の人はそこらへんに居るのかもしれません。しかしそうなると参ったことに、社会の維持は非常に難しくなりますね。その崩壊を食い止めているのは何か？ 皮肉なことに僕の嫌いな空気というやつでしょう。人間というのは不思議で、文字が読めなくても空気は読めることが多いらしいです。僕は空気が読めないのでこれが不思議なのですが、まあ役に立っているので良いことですね。空気万歳。
さて、空気なんてあやふやなもので社会が守られてるのは嫌だと思った方は居らっしゃいますか？ もしも居るならば一つお願いしたいことがあります。筋道立てて説明できる理屈で社会を維持していくならば、明文化されたルールとその意義を理解する能力は重要です。これを多くの人が得られるようにする為には、僕は皆が余裕を持って生きていける豊かさが欠かせないと思っています。あなたにも、そんな余裕のある世の中にする為に、あなた自身の持つ余裕の範疇で何かできないか考えてみてほしいんです。どうぞよろしくお願いします。
人間は余裕を失っちゃダメなんだって。