ホラーの週間ランキングに一週間近く残ることが出来ております。
それもこれも普段から応援してくださる皆様のおかげということで、こちらで改めて深く御礼を申し上げる次第でございます。
さて、今回は書き初め的なものということで執筆自体をテーマにしてメタフィクションじみた構成のホラーをやってみました。
どうにもグロテスクなものとか、バイオレンスなタイプのホラーって怖くて書くのが大変なので、静かに粛々と狂気に迫るタイプのものを書いてみました。面白いと思っていただけたならば幸いです。
さて、主人公のアルバはA Big Cやジャンクガレージ、どうやら拉致監禁などでもメインキャラとして大活躍しているワナビ生命体なのでそろそろみなさんも顔なじみになっているかと思われます。
何故アルバがワナビキャラかといえば、私の大好きなクトゥルフ神話において小説家はプロもワナビもネタの為に駆けずり回って死ぬ生き物だからです。ネタの為なら幾千里、その果てに藪をつついて蛇を出し、噛まれた毒でのたうち回る愚かな生き物だからです。じゃあプロでも良いのではないかと思いますが、他ならぬ自分自身が妙な気恥ずかしさのようなものを感じてワナビキャラにしてしまっているのが現状です。
これから先もアルバ君は様々な編纂事象や剪定事象の平行世界の中でろくでもないトラブルに巻き込まれて死に続けることでしょう。
ある時は小説家、ある時は受験生、ある時は科学者、そしてまたある時はテロリスト。もしかしたらそのうち有葉六郎右衛門とかいう侍になって剣豪バトルするかもしれません。
なんでここまで有葉を使いまわしているのかと言えば、有葉は限りなく執筆している時の自分に近い感性や言動をする人間として作り上げたキャラであり、短編小説という「自分の設定したテーマに対する自分なりの解答を表明する場」に適したキャラだからです。
元来、小説って言葉自体が自分の考えをぶち上げる為のものでしたからね。
そういう訳で有葉君の受難は今後も続きます。一応、同じ名前の別人ということになっていますが、精神的な根本はさして大きく変わりません。読む時は同一人物だと思っても大丈夫でしょう。今後も有葉君の奇妙な冒険を優しい目で見守ってあげて下さい。退屈はしないはずですから。