秋色

「人に飼われているペットは幸せか？」 そんな疑問を心に抱くようになった女の子とペットの話。飾らない文章で語られ、それでいて、語り手の気持ちを思うと胸がすごく痛む場面があったり。 特…続きを読む

生きるのが下手だと自覚している人にとっては、苦くも甘くも感じられるお話。でもとても優しく心に入ってくるお話。 悲しさを悲しいままに、答えをあえて急がないような書き方にも魅力を感じ…続きを読む

子どもの頃に、親や祖父母を通して感じた、家族の歴史の温かい重さを思い出しました。 長さを感じず、あっという間に読め、まるで自分に起こった出来事のようにさえ感じられます。 久し振りに…続きを読む

光を憎み、呪う心の闇。傍観者の立場でなく、その心の持ち主側から、ていねいに描いていて引き込まれました。 光源がキーとなっていて、切れかかった照明から、語り手の半生を振り返るという…続きを読む

世界は広く自分は小さくて、今は一瞬であるという事。当たり前ですがそんな事に気付かされる時があります。これはそんな半日を描いた物語。主人公からみた世界の描写がリアルで鮮烈で、まるで自…続きを読む

さり気ないある一日の出来事なのに、あらゆる登場人物の気持ちが分かる気がして、涙ぐんでしまいます。時間をおいて何度も読みたくなりました。

旅行や通勤に電車を利用する事の多い人には、こういう経験、一度はあるのではないでしょうか？　ある意味、サスペンスです。(⁠•⁠‿⁠•⁠)

ルービックキューブというパズルのジレンマが、日々の悲しさに繊細に重ね合わされていて、読んでいて思わず「分かる！」と言いたくなるような作品。ちょっと悲しい気分の時に効きます。

ドライブしながら様々な土地で歌った句集、言わば、現代版「奥の細道」。行ったことのない土地でも情景が想像でき、ついでに旅のワクワク感も味わえます。少し昔に訪れたであろう場所の風景は、…続きを読む

読み終えて、目の覚めるような紺碧の海の色が瞼に焼き付いている気がしました。 どうなるのか、ドキドキしながら読み進め、ラストには心地よい余韻が残ります。 美しい海の景色を背景にし…続きを読む

ちょっと厄介だけど純粋で、心の中に残るかつての同級生……学生時代でないと決して友達にはならないタイプかもしれない。そんなかつての友達との再会の物語。サスペンスフルな展開、そして余韻…続きを読む

二刀流を封印する理由が心に滲みます。能力としては出来るのに、心がストップをかけてしまう……。でも決して重くなく、さり気なく、優しさを感じるストーリーでした。

気持ちを伝えたい時に相手はいない……そんなほろ苦い経験をした事のない人はいないと思う。路上ライブの行われる駅前が目に浮かぶような、ノスタルジックに語られる物語。オススメです。

ある再放送のミステリードラマを見ていて、子どもの頃の自分を思い出す……。その設定に引き込まれます。 『どうしてそんなにも蒼いの？』というフレーズを作中に入れるという自主企画参加の…続きを読む

本当に楽しめる、あるある型のコメディ。でも趣味に関する普遍的なものを感じて奥深いです。勢いで始めた趣味がある一点から先に行けない……誰でも人生で何度か経験する出来事の２世代に渡る経…続きを読む

ホラーとしてミステリーとして、ドキドキハラハラするリアルな展開。また、現実的に１つの事に対処していくワザや精神力が描かれているので、貴重な作品だと思います。

これまで自分で作り上げてきた世界が誰かの目に触れる機会を得て……。その時その時の作者の戸惑いや率直な感想に、とても共感出来ました。カクヨムって運営側の予想以上に成長した世界かも？　…続きを読む

まずこのプラス思考のタイトルに惹かれました。コロナ禍では、不自由や経済的損失とかいろいろあるけど、自分自身を見直す機会を得た人も多いんだろうなと思うんです。 ずっと後になってあの…続きを読む

平凡な町に住む、人間関係のちょっと苦手な女子中学生が主人公。それぞれの季節を追い、学校の七不思議的伝説とも交差し、物語は進行していきます。 読んでいるうち、思春期の頃、こうだったな…続きを読む

これは仇討ちの話です。ただしとてもステキで粋な……。思わぬ敵にしてやられた主人公の妻がとった仇討ちの方法とは？……と書くと物騒に感じられるかもしれませんが、読後感は真逆です。短いス…続きを読む

お菓子の思い出が鍵となったミステリー仕立てのストーリー。最後まで読むと、ナルホド……ってなります。そして読み終えた時、きっと美味しいケーキが食べたくなるはず！

想像力に乏しい自分なので転生ものを読むのをこれまでためらっていました……が、これを読んだ途端、「何、この面白さ！」となりました。 何せ、ある時突然、自分が観衆の見守るなか、カクテ…続きを読む

ジャンルがSFという事で、もしかしたら読む人が限定されてしまっているかもと心配な作品です。むしろ青春小説です。アメリカンコミックのPEANUTS的な群像劇、メルヘンっぽい要素もあり…続きを読む

明るくて素直で頑張り屋で、でも要領の悪いコ。職場では敬遠されてしまいがちなコ。そんな同僚を変えたのは…。 言葉には魔法の力があり、人の未来を奪う事も、逆に救う事も出来るんだと実感…続きを読む

これは一人の偉大な友達についてのお話です。 付き合っていた期間は短くても、大切な事を教えられ、強い絆で結ばれている友達。 そして、その偉大さ、価値が分かったきっかけはちょっとした…続きを読む

この世が終わる--　終末論的な小説や映画は数々あれど、この短編の一文一文から伝わる迫力は尋常ではありません。家族からの電話、着信音…全てが妙にリアルに感じられ、話の中にじわじわグイ…続きを読む

昔、遠出した場所で偶然出会った人との再会。相手は夢破れたり、現実に目を向けながらも大人へと成長し…。 過去に行った場所の写真、旅先の栞を見ると、感慨深くて不思議なくらい切なくな…続きを読む

ある公園に大きな木があって、そこを訪れる人達を静かに見守っている…。 でもそれは決して穏やかで平和で長閑なだけの物語ではありません。そこに住む人達の挫折もあれば失恋もあります。…続きを読む

ファンタジーのような話の展開もストーリーテリングの巧みさで読んでいて主人公同様に自然に信じてしまう不思議さ。色々な駆け引きの中で誰もが手に入れたものの方が多いという不思議さ。そして…続きを読む

　ありふれたラブコメと思ったらあなどれない！これはもう掘り出し物ですよ。紹介文を読むと、やりたい放題のお嬢様がヒロインのハチャメチャコメディの予定でスタートしたのでしょう。でもだん…続きを読む

静かな住宅街から聞こえてくる掃除機の音とか、空を見てその自然の色に受ける感銘とか…。日常生活で感じる事がすごく自然に言葉になっているなぁと読むたび清涼感をもらっています。

青い箱の中にしまったまま、心から消し去ろうとしていた青春時代の出来事…。少女時代には誰でも経験し、封印しているような切なくてダメな思い出。 でもその思い出には闇の部分もあれば光の部…続きを読む

まるで自分がそこにいるように夏休みの街の風景が、空気ごと伝わってくる気がします。

心と身体のアンバランスさの表現とか、コップに注がれる水に呆然とするラストとか…思春期の頃の崩れそうな思いの伝え方がハンパないです。表現の秀逸な文というのはたまに世界観独り歩きで置き…続きを読む

書籍化希望です。ダークな風合いと平成、昭和的なレトロな空気感を醸し出しながら、なお新鮮で美しい作品です。

独特の感覚の表現があって、「あ、これ分かる」という、どストライクな部分を持つ作品。何度も時間を置いて読み返したくなりました。

会話の一つ一つが生き生きしスピード感あって、パズルのように一つ一つが組み合っていく楽しさがあります。エア野球、理想の野球チーム作りは野球ファンなら誰しも、ついやってしまいたくなるも…続きを読む