50歳の誕生日に再会したのは中学の同級生。
タイミングの悪い再会に戸惑う主人公でしたが……。
暗い過去を持っていそうな中学時代の友人。
急な誘いを断ることが出来ずに、一緒にお酒を飲みに行くことになります。
現在、普通の幸せを手に入れて生活している主人公からしてみれば、家族とお祝いしたかった。
でも、それは今日じゃなければいけない約束。
主人公には忘れていた小さな約束でも、それを支えに生きてきた友人がいたとしたら。
あの日から、それぞれの選択を繰り返し、それぞれの道へ進んだ男たち。
ふたりの手に入れた未来が、どのように明暗を分けたのか──。
優しい世界を書かれるイメージの作者さんですが、その誠実な文章のままふたりの男の運命を描き出しています。
決して正しくはないけれど、孤独な男の幸せを願わずにいられない。
切なく心を揺さぶる物語でした。