青い箱の中にしまったまま、心から消し去ろうとしていた青春時代の出来事…。少女時代には誰でも経験し、封印しているような切なくてダメな思い出。でもその思い出には闇の部分もあれば光の部分もある…。その光の部分が長々と書き連ねられているのでなく、会話の一言に感じとれる。だから読んでいてハッとする。さりげない日常の中の一コマなのにドラマチック…。回想シーンと会話の中にしか出てこない女友達がこの物語の鍵となっているというのもステキです。
引越しのために整理して見つけた半年前の同窓会のハガキ。返信先の名前から主人公は回想にふける。わざとではない、ハッキリした罪ではない、だから長年小さな罪として抱えるつもりだった。けれど……ここからはご自分でお読みください。