ジャンルがSFという事で、もしかしたら読む人が限定されてしまっているかもと心配な作品です。むしろ青春小説です。アメリカンコミックのPEANUTS的な群像劇、メルヘンっぽい要素もあります。少年漫画っぽいアクションもあります。
いじめられっ子、いじられ役の少年がある日宇宙人の少年と友達になり、彼の日常が少しずつ変わっていくという物語。でも実は宇宙人と出会ったから変わったわけではなく、元々あった真っ直ぐな思いを勇気を持って伝えられるようになっただけ。要領が悪く、決してラクな道を選ぼうとしない主人公に時にはイライラさせられつつも、決してブレない真っ直ぐな気持ちを応援せずにはいられない、そして読んで何だか心安らぐ物語。物語はハラハラする終盤に差し掛かっているものの、連続ホームドラマのようにいつまでも読んでいきたいとつい願ってしまいます。