「薄情」を含む小説

誰よりも慕っていた男だった。会いに行かなかったことを心の底から悔いていた。筈なのに、なんて薄情なんだろう。 兄と呼び慕っていた男を亡くし、失意のままに適当に入った喫茶店の店主に形…

「僕が君を殺すまで、あと三年だ」 　１１歳になれば誰もが授かれる神様からの贈り物、リティス。空を飛んだりなんでも物を探すことができたり。魔法でさえ不可能と思われるような能力がひ…

六番さんの企画「瞬く星々」参加用に書いた作品です。 滑り込みセーフ……のはず。 思い込みの激しい子と薄情な子の話が好きです。

　過去の出来事から、他人には期待せずに生きるようになった新浜颯太郎は、ある日、同じクラスの御巫琴音がナンパされているところを目撃する。１万年に１人の美少女と揶揄される彼女のことだ…

テスト勉強のために教室に残った翔子と涼太。 時は12月、クリスマスもあと少しまで迫ってきていた。

クリスマスイブの日。 自宅マンションへと帰ると、隣室の前にうずくまるギャルがいた。 「鍵……失くしちゃった」 「あー……」 同情はする。 だが余計なお節介は禁物だと、一旦は放…

祖父を亡くし、祖父を忘れることに怯えた。私が薄情な人間だと証明することになるから。永遠に祖父を思い出し、気持ちに宛先を付ける何かが欲しかった。私( I )は目( eye )を通し…

【黒歴史放出】 送別会に参加した際、思わぬハプニングが起きた——。薄情者たちが集う飲み会の一部始終です。

■あらすじ 千景の娘、麻実が失踪した。マリッジブルーと思われていたが…。 ■登場人物 千景：主人公。麻衣を盲目的に慕っているが、本心では見下している。 　　　進学校の教師。かな…

幼い頃に虐待を受けて以来、「他人」に興味を持てなかったサラリーマンは、ある日脳内に聞こえる少年の声について行ってしまう。 その先には異世界が待っていて、その世界で、少しずつ人の"…

　七月に入ったあたりから、故郷の風景を何度も思い出し、胸騒ぎに近い不快感がざわざわと全身を駆け巡るようになった。 　一連の不快感が故郷にあるという確信が日に日に高まり、暴いてやろ…

無情主義国家アギピド。 その国家、いや世界を牛耳るAT(アメジストテクノロジー)社に務める警察官、「ペトラ」は日々、薄情に業務をこなす。今日も今日で魔女(有情者)狩り。 経済、宗…

※ネタバレ注意 【キャラクター設定】 ■水野茉子（みずのまこ） 白百合中学３年生。九条優翔の彼女。大人しくお人よしな性格で、いつも優翔に守られている。小５のときに優翔に一目ぼれ…

　千夜は無類のチョコレート好き十五歳。 初めての失恋を経験したばかり。 「チョコと同じくらい、誰かを好きになってみたい！」 　流星群の夜、少女の願いを聞き届けようとしたのは？…

アキラは俺にとって退屈な人生に咲く一輪の花の様な存在だった。 俺たちは普通に仲の良い関係だった、アキラあんな事を言うまでは… 【プロフィール】 名前：てて（主人公） 性別：男性…

「コンラッド！　わたし、大きくなったらあなたとけっこんするわ！」 「光栄です。それまでずっとお傍におりますよ」 　そう約束したのは、いつの頃だったか。 「没落？　給金が払えな…

久々に帰った地元での通夜帰り、高校時代の後輩と思い出話のような愚痴の言い合いをしながら、故人の話をし始める夜の話です。

舞台は、大雨に降られる、どこかの町。 雨だれの静けさに沈む駅のホームは、まるで世界から切り離されたように、独白めいた沈黙に溺れている。 こんなときに孤独なら、誰だって思わず、自分…

公爵家令嬢のアリーシャは、我儘で傲慢な妹のアンネに婚約者であるカイル王太子を寝取られ学院卒業パーティの席で婚約破棄されてしまう。 そして失意の内に王都を去ったアリーシャは行方不…