概要
お兄さんさー。一緒にこの謎、解いてくんない?
クリスマスイブの日。
自宅マンションへと帰ると、隣室の前にうずくまるギャルがいた。
「鍵……失くしちゃった」
「あー……」
同情はする。
だが余計なお節介は禁物だと、一旦は放置した。
──しかし、それではまるで薄情者ではないか。
俺は世間に「これは人助けだ」と言い訳をしつつ、自室からコタツを引っ張り出す。そしてそのまま、マンションの廊下にて酒宴を開いてしまった。
「クリスマスケーキもあるけど、食べる?」
「食べるー!」
クリスマスケーキを取り分けて、ビールのプルタブをカシュっとし、楽しくやっていたのなら──
「あーっ!」
突然に大声をあげるギャル。
「ねえねえねえお兄さん、聞いて聞いて聞いて!」
「はいはいはい、とりあえず落ち着いて」
彼女が言うことには、とても不可思議な
自宅マンションへと帰ると、隣室の前にうずくまるギャルがいた。
「鍵……失くしちゃった」
「あー……」
同情はする。
だが余計なお節介は禁物だと、一旦は放置した。
──しかし、それではまるで薄情者ではないか。
俺は世間に「これは人助けだ」と言い訳をしつつ、自室からコタツを引っ張り出す。そしてそのまま、マンションの廊下にて酒宴を開いてしまった。
「クリスマスケーキもあるけど、食べる?」
「食べるー!」
クリスマスケーキを取り分けて、ビールのプルタブをカシュっとし、楽しくやっていたのなら──
「あーっ!」
突然に大声をあげるギャル。
「ねえねえねえお兄さん、聞いて聞いて聞いて!」
「はいはいはい、とりあえず落ち着いて」
彼女が言うことには、とても不可思議な
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!クリスマスイブに起こった、ちょっとシュールでほっこりするミステリー
サラリーマンの主人公と大学生のギャルという、あまり接点の無さそうなお隣さんがひょんな事から、イブの夜にマンションの廊下でおこたを挟んで謎解きに挑戦するという、よくあるわけがない日常ミステリー。
文章がとても柔らかく非常に読みやすいので、物語の情景をスルスルと頭に入れながら追いかけていける、読む側にとても優しい小説になっています。
真相がどこにあるのか、話が進むたびに少しづつ浮かんでくるネタや、主人公の視点から見た推理のヒントなど、非常にとっつきやすくかつ楽しめる内容。
ミステリーなんて重いと思っておられる方にこそ読んでみて欲しい一作です。