「伝奇 不思議」を含む小説

【完結短編】 季節は秋。 主人公である中学3年の【前田龍之介(まえだりゅうのすけ)】は、京都から福岡の太宰府天満宮の地に修学旅行に来ていた。 自由時間に彼女の【清岡亜子(き…

　 　曇良瀬（くもらせ）　一途（いと）はひとつの嘘の代償で、異性を前にすると本心とは真逆の行動を取ってしまう呪いを背負っていた。 　｢好き｣は｢嫌い｣に、｢嫌い｣は｢好きに｣――…

ある年の、思わず息を呑んでしまうほどに晴れ渡った五月十七日。 四方を山々に囲われた長閑な町に暮らす、幼少期に事故で家族を喪った十六歳の少年『深山志絃』はその晩、ふとした事から一…

元高位悪魔のビンカマジョール・ペリウィンクル・ボイニクス・ラウムことピィちゃんは、怠惰過ぎる曇天《どんてん》ことオカルトライター佐藤　青空《さとう　あおぞら》と共に、大型インコの…

192X年、上海租界は嫦鬼《チャングイ》なる化け物に脅かされていた―― 　朱雅文（しゅ・がもん）は金華茶楼の看板娘を務めるかたわら、香燈会の仲間とともに嫦鬼と戦う日々を過ごしてい…

これは唐代の中国にて、東方より海を越え入唐（にっとう）した奇妙な二人の物語。 七尺半（約225cm）もの巨躯を持つ大男は、外套で身を隠した幼い少女を肩に乗せ、広大な砂漠を歩んで…

ある日、不思議な力を持った巫女の少女が心を壊した男の子を拾うことで始まる物語

　１１２９年正月。高平太と呼ばれていた少年は元服し、平清盛と名乗った。この少年は後に、人臣の位を極め、一門の半分を公卿に昇らせ、「平家にあらずんば人にあらず」と言わしめるまで出世…

「ズバリ孤独とは、満たされないことだヨ……。」 すべての人間の｜物語《ミチスジ》には、必ずと言っていいほど孤独が付いて回ってくる。それを哀れに思った旅人であり、今は商いをやってい…

「ズバリ孤独とは、満たされないことだヨ……。」 すべての人間の｜物語《ミチスジ》には、必ずと言っていいほど孤独が付いて回ってくる。それを哀れに思った旅人であり、今は商いとやってい…

幕末の京都島原で、不思議な縁が交差する伝奇時代小説です。新選組界隈の動きを縦軸に、美男隊士との恋を横軸に、双子の少年少女の数奇な定めが美しい結末をもたらします。

3月、高校が卒業式の準備で騒がしさを増す頃、死者の聲を寄せることのできる少女、砂川こよりは満開の桜の下で首つり自殺をした女性の霊と出会う。 こよりには、死者の「聲」を直接この世に…

小学六年生、花山里子の住む町には、安倍晴明のそっくりさんである安部晴盟がいます。 外見も雰囲気もあの伝説の陰陽師、安倍晴明っぽいけれども、本人は式神も術も使ったことがないなんだか…

ただ一人の身寄りを亡くした高校生、七支杏矢は一人、絵に描いたような田舎の農村に移り住む事になる。 携帯電話は圏外、校舎は木造、石を蹴れば畑に落ちる田舎の村。 駄菓子屋には懐かし…

（春子......ようやく君に会えた） 大正時代、学者の後妻となった春子は、継子の事故死と祖母の他界に苦しむ。 ある夏の夜、川辺で出会った不思議な少年「蛍太郎」。その瞳に宿る昏い…

山海經（せんがいきょう）――異国の人や獣や神の様子が記された、秦漢の頃の伝説の奇書。 あるいは、その他中国古典に登場する不思議な存在に着想を得た短編集です。 二千年前も令和の世も…

『ムー』民の私が、行きつけの書店で聞いたお話を元に、書きました。 　また聞きの話なので、詳細は不明です。 【妖神（マガカミ）】 　人を唆して悪行を勧め、災いや不吉な出来事をもた…

彼は短いひと時だけ現れる。 忘れていた過去のささやかな後悔に気付かせるために。 気付かずに道に迷っていることを教えるために。 まどろみの夢の時間が終わることを伝えるために。 誰か…

古来よりこの国に存在する『隠邪（おんじゃ）』とは、人を食い、人に害をなす、人の敵。 闇より這い出るこの異形を人知れず退治するのが、今も連綿と続く『祓邪師（はじゃし）』と呼ばれる者…

あなたは神を信じますか？ あなたは幽霊を見たことがありますか？ あなたは魔物に襲われたことがありますか？ 東京の中心である黄金都市立川に、密やかに隣接する魔界都市昭島に、古より…