「手足」を含む小説

未だ陽の昇らぬ街は朝靄に沈んでいる。その海を抜けて月島志津男が、遮二無二と立ち漕ぎで坂道を登っていく。晩秋の未明、その日は特に冷え込み志津男の吐く息は白く舞い上がる。しかしその額…

オーディオブック企画！耳で聴く読書作品の原作。 ここは“不思議の国”　猫や毛虫や花がしゃべり、トランプには手足があって、僕の身体は小人に巨人に伸び縮み。 こんなおかしな国でも…

　よう。うちは、コーザ。ただのコーザだ。地下の世界に閉じこめられること、早数年。周りの連中は、とうの昔に脱出をあきらめちまったようだが、うちはそうじゃない。必ずここから抜け出して…

主要キャラクターの概要・設定 秋月レンジ ９年前に起きた、一家殺害事件で生存した兄妹の兄。 犯人は人間ではなく神であり、彼と妹も両親と共に神に喰われたが、その肉片から再生した少…

　私はさすらいの旅人、双剣使いの女武人。 　ある日、私は砂漠で遭難して気を失ってしまった。つぎに目が覚めたとき、私を待っていたものは――ナゾに包まれた絶海の孤島『終わりなき島』だ…

　トンデモに対抗するには、トンデモしかない！　　 大学四年生のボクこと三ノ輪悟は、理系の学生ではあるが、科学なんてものには関心が薄い落ちこぼれである。研究室に所属はしているも…

【阿蘇　大鯰】 一話完結。 今は狗奴国の卑弥弓呼と知られる草部男王が統べる阿蘇国でのこと。 女官の久々知彦は阿蘇の五十鈴姫に頼まれ、阿蘇を害する蟒蛇（うわばみ）の討伐に出る。 …

目が覚めて最初に思ったことは身体が窮屈だということ。俺は手足を縮めてどこかに横たわっていた。 謎の場所で目覚めた主人公。 どうやら鳥籠の中に囚われているようだ。 脱出方法を考え…

筋骨隆々で強面な警察署長がいた。弱きを助け強きをくじく男の中の男として尊敬を集めた人であった。 　そんな彼には女装家としての顔があった。 　しかし、その体の厚み、高い身長なのに短…

子供の血と祝福を啜るブレサイア（祝福者）を狩る者として生きるアイルとバッドデイ。 今夜もブレサイアを狩る為に、依頼のあった教会へと赴く。 しかし教会の中の警備は思った以上に厳重だ…

19世紀末期。 アメリカ、東海岸の都市・ニュージョージで、不可思議な現象が起こる。 魚の死体が川を満たし、カラスが空を埋める。 終末論が盛んに叫ばれるようになった頃、原因不明…

　目を覚ますと猿轡を噛まされ、手足を枷で拘束されていた『君』。 　目の前にいるのは、見知らぬ美少女。彼女は一体、何者なのか。『君』はなぜここで拘束されているのか。 　全てが謎のま…

20XX年、日本は黒災と呼ばれる災害に度々襲われていた。黒災は、半球の黒い物質が、覆った空間を滅茶苦茶にしてしまう災害である。 ある日、離島を覆っていた黒災を消滅させるために向…

もう限界だ。 「離婚してください」 丸田広一は妻にそう告げた。妻は激怒し、言い争いになる。広一は頭に鈍器で殴られたような衝撃を受け床に倒れ伏せた。振り返るとそこには妻がいた。広…

脆弱な者には脆弱な者なりの戦い方というものがある。 必要なのは手段を考える頭とそれを実行する手足。 何も強い手足が必要なわけでは無い。 目的を遂げるために必要なことをするに足りる…

生まれつきの天才とは彼女のことを言うのか…。 十七歳にしてイギリスの大学を飛び級で卒業した、天才少女・マリア。 彼女には、彼女にしかわからない苦悩が付きまとうが、よき理解者がつい…

光の届かない深いその森は、夜の国と呼ばれていた。 異形の魔物達が蔓延り、人間ならば数時間で狂気に陥ってしまう森の中で、白銀の髪を持つ少女は一人の魔物に拾われた。 異形を纏める巨大…

王家の御意見番のザトキロ家の次男として生まれたナウガは生まれながらに四肢が欠損していたがすくすく育っていた。 ある日､自身を賢者と名乗る男がナウガに再生の魔法を使うがは再生できな…

安西友美は手足を喪った人間的なカマキリの世話する それが友美の望みだからだ

こんなにもワクワクしながら来訪を待つのはいつぶりだろう。クリスマスの夜、両親がプレゼントを買ってかえる時、それとも大好きなゲームの宅配の時、それ以上に私は楽しみにしている。 待っ…