「語りかけます」を含む小説

賞金稼ぎのジャック・スピアーズは、標的である「マッドブル・ゲイリー」の情報を得て、ゲイリーの昔の女の家へと赴く。はたしてそこで待っているのは……。 自主企画「作中の【第四の壁】…

「おはよ、サイ。今日もよろしく頼むよ」 　ボクが話しかけている相手は人間じゃなく、何の変哲もない自転車だ。 　別に友達がいない訳ではなく、霊感がある訳でもなく、ましてや幻覚が見え…

僕は、記憶を失い、見知らぬ場所で目を覚ました。 そして、その傍らには「脳みそ」があった。 「君に、『犯人捜し』を手伝ってほしい――」 混乱している僕に向かって、小さな培養液の中に…

好きだった人と頭蓋骨の話です。死者は黙して語らないが、故人との思い出が言葉になって、骨の間から語りかけてくるような気がしています。

ニーチェに感化された女子小学生、曰く「神は死んだ」と。しかし、世は大スピリチュアル時代。「よし、全員論破だ！」と意気込んでいたところに、まさか天使（仮）が語りかけてくるとは……。

店内にはジャズが流れていた。 「お疲れの様ですね…」 カウンターの内側からマスターが静かに語りかけた。 「寄る年波には勝てないさ…流石にね」

夏の初め、一匹のセミが脳内に直接語りかけてきた。 「言伝をお願いできませんでしょうか？ この玉川上水に、あと七人、私の仲間たちがいます。 彼らに伝えてほしいのです。 『戦が始ま…

「ヒト」という漢字は、二人の人がお互いに支え合っているから「人」なのだ。 ──馬鹿馬鹿しい。 縦川将樹は好感度をかなぐり捨てて高校生活を送ってきた。友達はゼロ。クラスで完全…

周辺世界そのものと、それを取り巻く原理とに絆され、流されつつ歩き、歩きつつ一つの終焉を求める自己よ。自分の意思で環境を変え、思いもよらぬ出逢いに感覚の生き返りを感じ、ある場所へ還…

　アトレシア諸島を統べるチョウ帝国の栄華は『賢帝』と謡われた前皇帝が亡くなると共に失われ、後を継いだソ皇帝による統治は悲惨そのものであった。 他国との協定を幾度となく破り、思いつ…

毎年のように初詣に出かけた社会人、斎藤拓海（25)は、軽い気持ちで「今年こそは彼女ができますように」と神に願ってしまう。 その夜、夢か現か、拓海に語りかけた"神"は『100日後…

自身の欲で他者を傷つけない。←これさえデキれば、この世の中は未来永劫きっと平和なんでしょうね。笑顔という表情が普通で当たり前な普段の表情になるくらいに、とまではいかないまでも。 …

あらすじ 　マユは、ごく普通の中学生。ある日、しゃべる宝石と出会う。 　シューと名乗った宝石は、記憶のほとんどを失っている。力になることを決めた少女の前に、怪物が現れた。 　街の…

　瀬田幸次郎（３８）はバイタリティ溢れる中年男子！　溢れ過ぎたバイタリティが祟り嫁に愛想を尽かされて、バツイチ生活が幕を上げて十年ほど。 　以来まるっきしやる気とか人としての大事…

1978年11月11日の日付の「幻想」というこの物語は、私が小学生の時から書き続けていた詩のノートに書かれていたものでした。 　物語を書いているという気持ちではなく、詩を書いてい…

　昔、パパは『竜宮城の玉手箱』というお話をしてくれました。お伽話ではなくオリジナルのお話で、『魔法少女』が登場するのです。……二〇一五年八月二十四日。わたしたちにとって、忘れ得ぬ…

「この間、世間でちょっとだけ有名なお店に並んでいたら、出会っちゃったのよ〜こんな人。」 なんて、自分を『アタシ』と呼ぶ ”おじさん”が、あなたに語りかけてくれます。 おじさん…

わたしが想いを寄せる霧山くんは、植物状態になってしまった。そんなとき、わたしは人魂に語りかけられる。「君に幸あれ。幸福は奪うものだ。なりたい人になれる能力を授ける」と。でもわた…

樹海でわたしは首を吊ろうとしていた。死にたくてたまらなかったわたしに、そのフクロウは、透きとおった声で語りかけてきた……。静かな樹海に佇む、おしゃべりなフクロウの夢。

「月が綺麗ですね」 俺に語りかけてくれるのはその耳障りな機械音だけ。 遠くに見えるのは青い宝石。俺の計画は成功した。俺の最期の一日は、あいつに対する復讐の日だった。