Better than

山波アヤノ

人の一生は、重荷を負うて遠き道をゆくがごとし。急ぐべからず。

 かの有名な徳川家康は言った。「人の一生は、重荷を負うて遠き道をゆくがごとし。急ぐべからず」と。


 さて、タイムリープというものをご存知だろうか。気がつけば過去になってた的なやつである。

 本来であれば、オレも非科学的なことだと一蹴していたことだろう。

 だが、あれは、確かに感じたのだ。


『望むか──人間よ』


 突如として、文字通り「無」が広がる空間に放り込まれた。

 何故かはわからない。何も望んでなどいない。現実かもわからない。


 だが、出口も不明。

 ──もう、どうにでもなれ。

 そう呟いて、確実に、ハッキリと宣言した。


「過去に戻りたい」と。

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