「純文学 家族」を含む小説

　生きていくことは、簡単じゃない。 戸惑って、迷って、行きたい道を見失って生きている。 　及川桃香は、社会人1年目。恋人の須郷奏人は、桃香の憧れの人だったが、だんだん2人の恋愛…

飛び降り自殺をしたわたし。 ユーレイになってふわふわ宙を漂いながら、かつての親友や同僚、父親に会いにいくことにしましたが……

荻山洋は間もなく誕生日を迎えようとしていた。しかしなんの喜びも覚えることはなかった。今年から真剣に取り組みはじめた創作で、なんの結果を得ることもできないでいたからだ。 どれだけコ…

　父が交通事故に遭って入院して危篤状態。三週間目のある朝、訃報を告げたのは兄だった。四つ年上の兄は円（まどか）が口を聞けば苛立ち、邪険に当たる。母は兄弟の不和に無関心で弟ばかり可…

死は、苦しくてつらいものだと思っていた だけど、違った ほんの少し笑っている様な顔をしていた ５分で読めるショートショート 隙間時間にどうぞ

【第60回「文藝賞」落選作品】 動画共有サイトでファミリーチャンネルを運営する家族のもとに生まれたぽぽちゃんは今年で高校生になる。みんなに愛されているはずのぽぽちゃんは、ぽぽちゃ…

　その日、佐藤敬太は定期通院のためにかかりつけの病院を受診していた。中学から続く診察は、同じ言葉から始まり、同じ言葉で終わる。 　自分の病気のせいで家族にも迷惑をかけている。その…

　舞台は2006年の千葉、市川。悠葵《はるき》は中学受験を控えた小学六年生の少年である。彼は両親に、先生に、同級生に対してずっと自分を偽って「よい子」を演じ、期待に答えてきた。…

津田藤次郎という男がいる。 駆け出しの作家で、人気はままあって、精神の病める男だ。 そんな彼の前に、突然美しい女が現れる。 彼女はなんなのか。目的は？ 本当に実在しているのか？…

紗良は生まれつき脳に障害があった。それを理由に家族から疎まれ、離れに隔離されていた。彼女の叔父だけが紗良を思いやり気にかけていたが、少しずつ歯車が狂うように、紗良の心は壊れてゆく。

ミステリ週間ランキング6位を記録。

あすか幼稚園の園庭には、樹齢百年のアラカシの大木が生えている。 心地よい木陰を提供し、秋にはどんぐりを実らせ、親子の居場所となってきたアラカシ。皆に慕われてきたが、ある年伐採され…

私は今まで淡々と生きてきた。 それでも生きてこられたよ？それなりに‼ なんでこんなにも今頃になって傷つかなければいけないの⁈

相次いで起こる家庭の災難を前に、心血を注いだ研究は未完のまま、病苦の家族のために生きていくことを決意する。研究者になるという夢はあきらめても、小説を書くことだけは止められなかった…

42歳にして失業。孤独に生きて来た男は全てを失い、酒におぼれ――。 誰も悪くない、でも何もかもがうまくいかない。現代社会のどうしようもない理不尽に飲み込まれていく家族の物語。

福岡県北部に位置する孤島、玄海島。そんな島の中で、祖母と二人質素に暮らす高校生、柴井海好。彼女はいわゆる、海洋恐怖症であった。しかしそんなある日、海好は自分の”家族”について疑念…

登場人物…聖山詩宛、ライラ

幼い頃に母を亡くした大学生の私は、父から義母となる女性を紹介されるが、距離の縮め方がわからず戸惑っている。 そんなとき、母が作っていたドーナツを自分でも作ってみようと試みる。 「…

　彼の部屋の窓を開けると、そこには、二人の男の子が座っていた。 　毎日ベランダで過ごして、おもちゃと小説があれば、ご飯もいらないのだと言う二人。 　大学生にしては妙に大人びた彼と…