「なんかわからん？ 短編」を含む小説

　ある時、気付いたら知らない場所にいたし、自分のことも、ぼんやりとしか思い出せなかった。 　そんなわたしを助けてくれたのが、母さんと、父さんと、兄さん、今のわたしの家族。 　でも…

　出会いも、別れも、一人一人の人生の先なんてわからない。 貴方は彼らの人生の先がわかりましたか？ 5話で完結させました。

もしも人の一生が一冊の本にたとえられるならば。 私のおばあちゃんは栞(しおり）をはさむのがとてもじょうずな人だった。 おばあちゃんにお話をねだる、あの頃の私は「しおり」の意味も「…

国の英雄である魔女・レクシーに呼び出された田舎出身の平凡な少女・ジェシカ。 わけがわからん、と現実を受け入れられないでいるジェシカにレクシーは問う。 「ジェシカ。貴女はどんな味…

スレジは、効率化よりも人のことを忘れないことを選んだ。だからなのか、それとも先天的なのかは自分自身でもわからないが、スレジは思い出すことの天才だった。そうして彼は記憶屋になったの…

　変わる世界、忘れてしまった古い思い出、きれいなものたち―― 　――たぶん、わたしたちは昔ほどきれいじゃない。 　子供の頃にあった、純粋さとか、希望とか、単純さ、そんなものはい…

織田信長は、桶狭間にて今川義元との合戦に勝利した。 大将首を取った者に褒美をやろうとした信長であったが、誰が殺したのかわからない。 容疑者は羽柴秀吉、前田利家、明智光秀、柴田…

　意味がわからない。 　出会った時から、彼の印象は変わらず。 　付き合いきれない。 　それはもう悲しかったけれど。 　彼の兄の結婚が決まってこれで縁が切れるのかとも思ったのに。 …

僕の名前は綾瀬拓海（あやせたくみ）。どこにでもいるような平均的な高校生。 ある日、友達に無理やりマッチングアプリを入れられてしまうが、その夜、ある人とのマッチングによって、僕の生…

「もし生きてても、おまえの前には現れないよ、一生」 そう言って戦地を共に過ごした親友は戦火の中へ飛び込んで行った。 訃報を届けたくなくて選択した永遠のお別れ。 終戦から十年、…

工場にはキュウリに泥を塗る男がいて、それを洗う男がいる。 ここはいったいなんの工場なのか、誰がなんのために働いているのか。 何ひとつわからぬままに繰り返される行動、そして衝撃の結…

貴族区域に住んでいるヨツは、厳しい戒律のせいで だいぶ世間ズレしていた。 イリヤはヨツの教育係になるのだが…

現実？妄想？空想？ 自分でもわからなくなるときがあります。

　造形に魅入られた少年はある日、女性の体を制作するために一人の少女をモデルにする。 「キミの夢は？　芸術家になること？」 「……よくわからない」 「大丈夫だよ！　すぐに見つかるよ…

文房具屋でそれとわからないままに買ってきた日記。バカな買い物をしたなあと思いながらも、日記をつけ始めた僕。淡々と日常を記していくのだが、ためしに書き始めた【未来日記】が日常を歪め…

私はいまどこを歩いているのか、どこへ向かっているのか。 何をしたいのか、いったい何になりたいのか。 何もかもわからない状態で生きている、そんな人間は本当に私だけなのか、どうか。 …

　由海子は毎年夏になると、京急本線で横浜から横須賀中央まで乗って、三笠公園へ訪れていた。娘と夫がいないときも、ひとりで。 　戦艦『三笠』に行くために。 　由海子が祖母と、よく来て…

物心ついた時から、人の心が "見える" 鈴（れい）。しかし、その能力は『運命の人』には無効で――『運命の人』の心は見えないのだった。運命の人なんて本当にいるのか、そんな人と出会え…

なんとなく日記をつけ始めた。 オカルト体験をふと思い出して、どうせならまとめようと思った。 だから、毎日書くものではない。 あくまで、気が向いたときに。