概要
安心して忘れよ
スレジは、効率化よりも人のことを忘れないことを選んだ。だからなのか、それとも先天的なのかは自分自身でもわからないが、スレジは思い出すことの天才だった。そうして彼は記憶屋になったのだった。
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おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!人としての感情の揺れが愛しくなる
忘れたくても忘れられない、または忘れられないけど忘れたい。
そんな記憶は誰にでもあるものなのかもしれない。
人が機械として生きる事ができるようになった世界で、記憶はアップデートされ、いらないものは削除される。
永遠の命を得る事で無くすものがあって……
スレジは記憶屋として生きる生身の人間。
永遠の機械の体を持つものは記憶をなくし、生身の人間として生きる彼は記憶を覚えている。
虚しいわけではない、悲しいわけでもない、必要だけど、必要ではないもの。
記憶の重なりで人は成長していくものだけど、時には要らない記憶もある。
踏み出す妨げになる記憶、だけど忘れたくはない記憶、それをどうするのか……続きを読む