「民俗学ホラー」を含む小説

｢きっと、千石さんに話すために取ってあったんですね｡」 令和四年・五月――千石杏香は奇妙な話を聴いた。それは、ある社会問題に関わる知人の証言だった。今から二十年前――平成十五年…

深まった秋の匂い。甘酸っぱい恋の矢印。遠い異界の気配。――大学生の西条慧は、1つ年上の『先輩』に告白しようと決心して山奥のキャンプ場を訪れた。しかし彼らはまだ知らない。そんなあり…

出張写真館を営む一礼人《にのまえ・あやと》は仕事の依頼を受け、成葉里村《なばりむら》へやって来る。 村では二週間後、四年に一度の秘祭、村を富み潤した媛神・藤媛を祀る『藤祭』がある…

“不思議なモノ”の探究を目的とする『ふうど研究部』一同は、とある村に伝わる『法師の鬼退治伝説』の真相を探るべく調査を開始する。 第一章　入部編 第二章　調査班

「おばあちゃんは言っていた。あの森に入ってはいけないって」 　幼稚園教諭の寺分菜季は、占い師をしている祖母から「禁足地」と聞いていた森の近所に遠足で訪れる。注意をしていたが、同僚…

――これは一人の男が道を踏み外すまでの話だ。 不器用だが祖父母思いな青年、伝助。 民俗学者の祖父が亡くなり、失意に沈む彼を、他者の悪意が襲う。 復讐を決意した彼がとった行動とは。

夏休みの間、田舎の祖父の家に泊まりに来た兄の栄太と弟の慎也。 祭りの帰りに暗い田舎道を歩いていると、ある四辻に差し掛かる。 ふと一つの道の奥を見てみると、暗闇の向こうから「何か」…

自殺した祖父の遺品整理のために母方の実家を訪れた壮悟と、従兄・榛弥。整理中に触れた蝶の髪飾りをきっかけに、壮悟は夜な夜な部屋に現れる少女の幽霊と、見知らぬ男に殺される夢に悩まされ…

姉妹は、「マイメ」と呼ばれる怪異に立ち向かう。

　とある山村の外れで死体が見つかった。遺体は腐敗し、四肢は損壊。加えて最後に目撃された状況も不可解なものであったため、地元住民の間では「天狗の殺人」と囁かれていた。博覧にして強記…

久繰里あかりの幼馴染み「おねえちゃんが」が行方不明になった。原因が自分にあるのではと悩んだあかりは高校時代に世話になっていた司書の江洲楓に相談を持ちかけた。久繰里あかりのおびえて…

※登場する一部の人物・団体・名称等および本タイトルは架空であり、実在のものとは関係ありません。

水の事故がキッカケで鬼に狙われるハメになった主人公。下手をすれば、あの世に引きずりこまれてしまう！　だが、いつも危機一髪のところで助けてくれる女性がいた。その人こそ「僕の橋姫」。…

異形『怪』道中（いぎょう『かい』どうちゅう） 1/21 続編更新始まりました。 https://kakuyomu.jp/works/1177354055365182771 ※…

彼岸花の俗信から閃いた話。 ありがとう、鈴木棠三著「日本俗信辞典　植物編」。 ホラーとしてはきっと弱風。

目立たぬような佇まい　土地神の目から逃れるために 名前を持たない沼に棲み　時おり人を引きずりこむ

　小綿紬希。 　十歳。十歳である他は、とりたて特徴のないその少女。 　膨らんだほっぺた。見つめた相手がそのまま映る水面色の澄みきった瞳。 　国語の音読も、九九も、足取りも視線も…

牧歌的な毎日を送る山奥の村。 その村にある封印された祠に近づく三人の男。 村人たちを説き伏せ祠を開けようとする男たちの思惑と、祠の真実とは。

お仕事小説ですが、お仕事要素はほとんどありません。 田舎での営業ライフを徒然なるままに書き綴っていきます。 一応ジャンルは現代ドラマに設定していますが、田舎のノスタルジーあり、動…

暗く長い空間は、この世とあの世、陰と陽、現世と異界をつなぐ分岐点。 日常がいつまでも続くと思っていたが、非日常はすぐそこに有った。 蓬田達雄は中学の同窓会に参加するために二十年…