概要
その島は、「あちら」との狭間にあった。
「きっと、千石さんに話すために取ってあったんですね。」
令和四年・五月――千石杏香は奇妙な話を聴いた。それは、ある社会問題に関わる知人の証言だった。今から二十年前――平成十五年――沖縄県の大学に彼女は通っていた。そこで出会った知人たちと共に、水没したという島の伝承を調べるために離島を訪れたのだ。そこで目にしたものは、異様で異常な出来事の連続だった。
令和四年・五月――千石杏香は奇妙な話を聴いた。それは、ある社会問題に関わる知人の証言だった。今から二十年前――平成十五年――沖縄県の大学に彼女は通っていた。そこで出会った知人たちと共に、水没したという島の伝承を調べるために離島を訪れたのだ。そこで目にしたものは、異様で異常な出来事の連続だった。
今のところ、わたしは無報酬で文を書いています。ギフトを送ってくだされば報酬になります。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!人を飲み込む怪異の「狭間」は、人の触れ得るすぐ傍らにあるのかもしれない
SNSを介して知り合ったある女性から語られる、彼女自身が20年前に体験したというひとつの異様な事件。
沖縄の大学で民俗学を学ぶその「彼女」が、同じ学科の友人二人と共に沖縄地方のさる伝承を調べようと「浅間島」を訪い、体験してしまった事件――という体で語られる物語。
「事実」とのことですが、どこまで事実なのか――読み手に過ぎない私には、本当のところはわかりません。
「事実」という建付けのフィクションなのかもしれないし、あるいはこの物語で語らえる怪異は本当にすべて「事実」なのかもしれない。
読後に残った、あやふやな、まるで薄氷のような薄皮一枚を挟んで怪異と向き合うようなぞわぞわした感覚は、恐ら…続きを読む - ★★★ Excellent!!!「誰も知らない島」には、忘れ去られた真実が鎖されている——かもしれない
SNSを通じて知り合った相手から見せられた20年前の動画には、驚くべき事実が記録されていた——
これはある一人の女性が体験した、沖縄地方の伝承と謎の島にまつわる話です。
大学生だった彼女は、友人二人と共に、ある伝承を調査するため某島を訪れます。
しかしなぜか、かたく口を閉ざす島民たち。彼らはいったい何を隠しているのか……
海と空の美しい景色から小さな島独特の閉塞的な空気感、この世のものとは思えぬ情景までをも紡いでいく文章。
何が起きるのか、あなたもきっとページを繰る手を止められなくなるでしょう。
最後の最後、本当にゾッとしました。
あの、これ、実話なんですよね……?
沖縄の海のどこかに…続きを読む