沼すべり 武蔵の野 水辺語り

作者 美木間

90

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★★★ Excellent!!!

子供の間違いを正す厳しさと、何食わぬ顔でまんじゅうを頬張るユーモラスな姿。

命を守る優しさと、命を奪う残酷さ。

猛威と恩恵が同居する、善悪などという人間の物差しでははかれない存在。

作者の自然に対する豊富な知識と、畏敬の念がとても感じられる力作です。


まだ読んでいない方は、是非読んでみてください。

面白いです。



★★★ Excellent!!!

1行目を読み始めてすぐに、時間の流れが変わりました。
焦るがゆえに、心の内のスピードと周囲のスピードがちぐはぐになっていく覚束なさが、ヒヤリ、ぞくり――と、日本ならではのじっとりとした怖さを加速させます。
読み終わった後、現実に戻って来た…とハッとしました。
武蔵の野にいるという「沼すべり」に、私もきっと、1行目を読んだ瞬間から出会ってしまったのでしょうね。

ホラーの名手による短編です。
文句なしに面白いです。

★★★ Excellent!!!

 武蔵野の境界にある小さな沼が舞台の伝奇的小説。
 沼は小さい分、深い。そこでは蛙が産卵し、オタマジャクシが育つ。
 その沼には「沼すべり」と呼ばれる怪異があった。好奇心旺盛な主人公は、干上がった沼なら大丈夫だと言うが……。

 まさにこの文学賞の為の一品で、こういう小説を待っていました。
 この作品に出会えて嬉しかたです。

 是非、御一読下さい。

★★★ Excellent!!!

情念など一切感じさせぬ淡々とした言葉で綴られるのは、美しい武蔵の野の姿と、そこに生きるもの達の息遣い。素朴でありながら、少しぞくりとさせられる結末は、「遠野物語」などの民間伝承好きにはたまらない。

そう言えば、幼い頃、野山や水辺で遊んでいると、不思議なものの存在を感じたこともあったっけ……と遠い昔を懐かしく思い出した。