不用意な子供だったから、見えるものがある

情念など一切感じさせぬ淡々とした言葉で綴られるのは、美しい武蔵の野の姿と、そこに生きるもの達の息遣い。素朴でありながら、少しぞくりとさせられる結末は、「遠野物語」などの民間伝承好きにはたまらない。

そう言えば、幼い頃、野山や水辺で遊んでいると、不思議なものの存在を感じたこともあったっけ……と遠い昔を懐かしく思い出した。

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