「夜毎」を含む小説

　香竹が１０代～２０代初頭に書いた詩の中から夜を主題にしたものをまとめてみました。 　痛いです。 （連作ではないのでどこから読んでも大丈V！）

心のブルース

桐子の胸に穴が空いた。胸に穴が空いただけなら私にとってはどうでもいいことだし、穴が空いたからといっても人間案外死ぬものじゃなくて桐子はいつも通り生活しているしせいぜい体育の時間に…

カニバリズム表現あり

幸せな結婚生活を送っていたはずの小泉美礼の飼い犬が死んだ。夜毎に行われる拷問と罰。夫は言う。 「深礼をどこへやった。深礼を返せ」 人間が妖精と入れ替わられたとき、火に焼くのがもっ…

森や水辺に棲み、ざわめきにも似た声で鳴くという「蟲」。彼らと意思を通わせるための楽器「蟲笛」の奏者である千歳は、幼い頃から二種族の共生を夢見てきた。蟲が異様に騒ぐとの知らせを受け…

誰も私の寂しさを紛らわせることができなかった。 夜毎囁かれる愛の言葉も、私には何も響かない。 私の心は氷のように冷たく、何も感じなかった。 感じられなかった。 あの月のせいだ。…

　昭和初期。とある山の頂に、妖魔を引き寄せる血を持つ女がいた。 　彼女の名は籠野朱鷺子(かごのときこ)。その能力は代々女にしか継承されず、政府にひそかに保護される存在だった。 　…

色町に男娼、長谷凛一は存在した。 夜毎、客の相手をする凛一の床にある日、珍客が紛れ込んだ。日本人ではありえない容貌の彼の名前は、ランスロット・ザラと言った。どうやら部屋を間違え…

　卜占と陰謀により斎王となった成子(なりこ)は、清らかであるべき斎宮に悪霊が蔓延っていることに驚く。 　成子は、夜な夜な訪れる霊のせいで、おちおち寝てもいられない。 　警護の…

十三歳の誕生日、赤奏国の皇帝に後宮入りを願い出た莉杏。ところが謁見の間にいたのは、《正規の手段》で帝位を簒奪し、新たな皇帝となった暁月だった！　莉杏は「ちょうどいい」と皇后にされ…

キャッシング地獄で低収入の江藤は、ある日風俗嬢から乱交パーティの客集めを依頼される。 パーティ主催のフジマキと名乗る男に気に入られた江藤は、彼らの行う「仕事」を少しずつ手伝ううち…

カクヨムのコンテストから下げました。跡地保全、完結処置取ってますが未完ですご注意。 　首都近郊と言い張る某県某市。私立城東学園は明治時代にその前身を持つ、由緒正しき名門校である…

　サキュバスだって、魔王だって人には言えない苦労があるとは思うんだ。でも夜毎にそれを聞かされるってのはどうなんだろう？ 　砂時計の契約に縛られて今夜も沙希さんは異世界に飛ばされ…

　人間相手に殺戮と略奪を繰り返す「鬼」のいる世界。 　鬼に故郷を蹂躙されたユニは、売られた先の宿屋で、自警団長のロンと出会う。 　自警団の下働きをすることになったユニは、彼に一…

「火竜」と呼ばれる命知らずの傭兵と大陸を旅する「語り部」パルヴィーズが、夜毎に語る、妖しくも美しい「魔物」に魅入られた者達の恋物語。 「大陸」と呼ばれる世界に伝わる異類婚姻譚や…

　「私は夢。あなたの夢」 　石川大学に通う真舘 朗（まだち あきら）は、夏休み中に大学構内で起きた殺人事件を目撃して以来、精神を病み、夜を恐れるようになってしまった。 　そんな…