どこでもない不思議な空間で、異世界の者たちの悩みを聞く――砂時計の砂が、落ちきるまで。 転移とも転生とも違う、現代人と異世界人との交流の物語。ファンタジーが好きな方にぜひ読んでいただきたいです。 もっとずっと読んでいたかったと思うほど、この作品が持つ不思議な魅力にすっかり魅せられました。
そして気がつけばこのタイトル。素晴らしいです。
主人公が毎晩、異世界の住人の悩みごとを聞くだけのお話。話相手は、サキュバス、吸血鬼、スライムなどファンタジーの住人だけど、その悩みはどこか現実的。考えていることを話すだけで、案外楽な気持ちになるのは、どこの世界でも同じなのでしょうか。幻想的で、時に哲学的、そして読後は、少しほっこりするそんなお話でした。
何処ともしれない、何処かの場所で。 居合わせることができるのは砂時計が落ちる僅かな刻だけ。 その僅かな間だけ、主人公は異世界の人々から愚痴を聞きます。 愚痴の中に潜むファンタジーの人々の本音を、独特の妖艶で神妙な雰囲気の中に描きあげる、とても不思議なおハナシです。 雰囲気のある小説が好きな方、 雰囲気に耽溺したい方、 オススメです。