君に八百年の花束を

作者 玖珂李奈

46

16人が評価しました

★で称える

レビューを書く

★★★ Excellent!!!

 読み終わって感じたこと。
 切なさ、儚さ、憂い…… そのどれでもないようで、全てが当てはまるとも思えます。
 もし…… 形になるとしたら、それは「待って」という言葉。
 私の心の中に残る、ユニとロンの二人へ、「待って」と呼び止めたい気持ちが溢れています。
 物語は、永遠とも言える呪いを受けた男の人と、夢で繋がる女の人との、不思議な縁を語る恋のお話です。
 読んでいて、何度も目頭は熱くなりました。
 とても切ない気持ちになることがあったのです……
 それでも最後まで読めたのは、ユニとロンのお互いを想う気持ちを信じられたからです。
 ああ、終わって欲しくなかったです。
 物語を閉じる私から去ろうとする二人へ、待ってと声を掛けられたら……
 悲しさはありません。苦しさもありません。
 ただ、こぼれるのは涙だけ…… それは温かいものでした。
 物語って、素晴らしいですね。読ませて貰ったこと、感謝しています。
 ありがとうございました。良い物語だと思っています。

★★★ Excellent!!!

“鬼”という存在によって故郷も家族も声も失った少女と、並外れた強さと重い秘密を持つ自警団長の男の恋物語です。

あらすじと恋愛要素の素敵さは他の方のレビューもあるので割愛します。
個人的に「ここにも注目してほしい!」と思うところは世界観とそれに伴う描写でしょうか。
ロンが抱える秘密。それが明かされる際の、神秘的でどこか畏怖を感じるような美しい風景と心理描写。合間に挟まれる美味しそうな料理のワンシーン。
そして何より「何故“鬼”というものが主人公達の世界に存在するのか」「そもそもこの世界は“何”なのか」という世界観の基盤部分もまた最高なんです。
本作だけでも100%楽しめるのですが、このレビューで少しでも興味を惹かれた方は是非同作者様の『きっとあなたは偶然ではない』も読んでみてください。そしたらこの小説の面白さは200%に跳ね上がります!

じれじれともどかしさと切なさを含んだ恋愛小説としても、しっかりとしたファンタジー小説としても楽しめる『君に八百年の花束を』。どうぞご一読ください。

★★★ Excellent!!!

日本の人魚伝説の一つを軸にした悲しくて切ない恋模様に、不気味な「鬼」の存在が絡み合い、ただの恋愛小説では終わらない、多くの謎を秘めた近未来のファンタジー。

得体の知れない「鬼」と呼ばれる化け物に村を襲われ全てを失った娘と、「鬼」を相手に戦い続ける自警団の男。その男に買い取られた娘は、その男が、夢の中に現れる「愛するあの人」にそっくりだと気づいて……

二人が出逢った途端に恋に落ちてしまいそうな設定だが、実は、男には誰にも知られてはならない秘密があった。表題の「八百年」という言葉が暗示する男の秘密を謎解きながら読み進めると、一層物語が深みを増す。その秘密ゆえ、男との叶わぬ恋に身を焦がす娘の心情が、歯痒いほどに切ない。

途中、心が痛む場面も出てくるが、どこかにきっと救いがあるはずと信じて物語を追って行くと、希望の光が見えてくる。口下手な主人公二人の焦れったい愛情表現に心が癒され、思わず、にやりとする場面も用意されている。

人魚伝説をご存知の方もそうでない方も、じっくり、ゆっくりと「八百年」の重みを味わいながら、二人の恋の行方を静かに見守って頂きたい。

★★★ Excellent!!!

女性視点で進む物語です。

800年という途方もない数字が、愛の深さを表していますが、未だ冒頭しか読んでいないので、どう進むのかわかりません。

800年が鬼にとって普通なのか、それともすごいことなのか、そこに焦点がありそうですね!

次の話にも期待して星三つ送らせて頂きます。

★★★ Excellent!!!

 舞台は古い東洋風の村。そして「鬼」が存在する世界。
 鬼に村を襲われ、天涯孤独となったユニは、自警団のロンと出会う。
 ロンは、ユニが小さな頃から夢で見る恋人とそっくりで……。

 ――と、ロマンチックな要素がたっぷり。
 けれど、それだけではなく、ロンにはミステリアスな影……。

 ユニたちの吐く息すら感じられそうな、美しい描写。手に取るように分かる村の様子。読み始めると、一気に引き込まれます。

 この物語世界を、あなたも一緒に楽しみませんか?