「薄」を含む小説

　シルヴァスト王国の郊外にある風の里。そこには、長きにわたり風竜の魂を守るために暮らす人々――風守衆がいた。そのひとりとして平穏に暮らしていた少年デューイであったが、ある日、風竜…

　夏休みを利用して母の実家である田舎にやってきた少年。その地には『鎮守の森』と呼ばれ人が足を踏み入れることを禁じられた神域があった。 「鎮守の森へは入るべからず」 　祖父母に…

　白い髪に赤い瞳。白磁を彷彿とさせる薄色の肌。 　国教の神子であるターリアは、民を救うため、今日も神に祈りを捧げる。 　外界から隔離された彼女。そんな彼女の世界は、異国出身の傭兵…

《2022年2月　文芸社より書籍販売開始》 　全国書店ならびにネットショップでお求めいただけます。 　詳しくはTwitterにて。よしなに。 　高校三年生の未咲は母子家庭で育…

　東京から３年前に高知県の山間部へ引っ越してきた『拓郎（たくろう）』。ある日、山へ山菜を取りに行った際、薄汚れた少女と出会う。拓郎は、少女が迷子だと思い、とりあえずこの山に唯一存…

「薄明」とは、日の出前や日没後の薄明るい時のこと。 その間限定1日2回の薄明ラジオ イヤホンからラジオから色んなところから突然始まるラジオ。皆さんの元には届くでしょうか。

主人公の千条ハヤテはＦラン大学に通う二十歳の男。 青春の全てをバイクに賭けていたハヤテは、学歴もなく彼女いない歴＝年齢だが、バイクの腕だけは確か。 オンロードだけでなく、オフロー…

現代にはびこる薄死概念にとらわれたある意味普通な異常者と自殺をたくらむ異常者に対して好奇心で近寄る男の問答において生じる異質な倫理観とは…

厳格な母に女手一つで育てられた”私”は母の作った薄味の手料理の味しか知らない。ジャンクフードやカラフルな着色料まみれのお菓子に憧れる”私”がはじめて赤いきつねを食べたのは小学校に…

即興短編の置き場所です。

日本に格安宇宙飛行会社が設立され、サラリーマンでもスペースシャトルで宇宙に出られるようになった。 僕もお金を貯めて、やっと乗れることに。ウキウキワクワク。

平凡な題名ですが、リアルなファンタジーを描いてみました。この現実世界ほどファンタジーなものはありません。心臓が一度止まって生と死のはざまにある時、あらためてこの世のありがたみがわ…

桜の舞い散る季節。 あなたに抱いた恋心を、きっと一生忘れない。 この先、何度季節が巡っても。

　ある薄ぼんやりとした日、その街のとあるカフェのテラス席に、ひとりの青年が座っていた。白にちかい半端な長さの金髪の、青とも緑ともつかない彩りの目を持つ、細身の青年だった。書き物を…

大学で日本文学を専攻している成実は、新選組副長、土方歳三が大好き。そんな成実は、ある日1861年の江戸・日野にタイムスリップしてしまう。そこで出会ったのは後の『新選組』の幹部たち…

世を混沌に陥れる竜、神話に謳われた最強にして最恐のドラゴンは、長き戦いの末に討ち果たされた――しかし、闘争の果てに人類が得たものは平和ではなく、さらなる混沌だった。 そんな世界……

多摩川の河川敷には、今日も黄色い花が群生して揺れています。 固有種を脅かす、厄介な存在として時に駆除の対象となる野草……。 そんな「セイタカアワダチソウ」の呟きです。

　日本海が望める潮目温泉にある、太鼓チーム『さけ太鼓』。数年前まで、主宰を務めていた前会長は、故人となった今でも、話題が絶えない。 　前会長の死後、チームを引き継いたのは街に全く…

おれは、ひとり曠野に立ち、月を見ている。 どれぐらい時間が経ったのだろうか。親しかった者の顔が、浮かんでは消える。 夜の間だけ、おれは気ままに動ける。 そんな今の姿を、おれはけっ…