代萩のうた

碧月 葉

抗争の果て

多摩川の河川敷で今日も奴らと睨み合う

俺の毒はジワリと効いて

前線の敵はうずくまって息絶えた


「さて、今年はどちらが優勢かな?」

黒いネクタイをした小鳥達が戦況を見守る

繰り返される戦いに熱い視線を送りながら


食うか食われるか

侵略だなんて言うなよ

俺はただ生きていたいだけ


刺されても 喰われても 体液を吸われても

ここに居るからには美しい花を咲かす

黄金の花を


秋風に身を揺らす勝利のダンス


いいじゃないか

おまえは月に愛され人々に慕われてるだろう


俺はみんなの嫌われ者


俺の隆盛は誰にも歓迎されやしない

きっと明日にも

刃を手にした人々が俺を刈りにやってくる





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