概要
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高校三年生の未咲は母子家庭で育つ。母一人子一人の、二人暮らし。しかしそれは、ささやかながらも大きな幸せに充ちていた。
未咲が一八歳の誕生日を迎えてまもなく、母は早すぎる死を迎える。一人遺った未咲は、大きな指針を失った。
そんな未咲を支えてくれたのは、母の仕事先のスナックのママ・小幸、久方ぶりに再会をはたした幼なじみ・都築、そして、不意に訪れたスナックの客・羽崎。
三者が方々から未咲へ関わり、介入していくなかで、未咲はひとつの決断とひとつの真実に辿り着く。
それは、あまりにも残酷で幼い決断。突き付けられた未咲は、自身の打ち砕かれた無垢の向こ
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!亡き母の面影を追い、繋がる人との絆 揺れる思いにコスモスの香りをのせて
シングルマザーの家庭で育った主人公の未咲。
だが、母・美冬は事故で帰らぬ人となってしまう。天涯孤独となった彼女を支えるのは、長年母娘を気にかけてくれている小幸と、幼馴染の志賀。そして突如、小幸の経営するスナックに客として現れた羽崎の存在。彼には何やら複雑な思いがあるようで……。
母の面影を追い、進路に悩む未咲。名前も顔も知らない父親は、いったいどんな人だったのか――母の遺したメモや本などから過去を紐解いていく。
生きてさえいればまたいつか、きっとどこかで会えるかもしれない――大切な人との絆を感じさせてくれるあたたかい物語に、あなたも魅了されるに違いない。 - ★★★ Excellent!!!作者さんからの愛に溢れたプレゼント。
主人公、未咲ちゃんの不幸から始まるお話なのですが、悲しいお話ではありません。
小幸ママ、志賀くん、そして羽崎さん。
いつも温かい眼差しがあって、未咲ちゃんはゆっくりと幸せに向かって歩き出します。
多くの人は未咲ちゃんと志賀くんの、ドキドキな恋愛模様に触れられていると思うので……。
わたしの今作のおすすめしたい人は羽崎さんなんですよね。
このお話の核になってくる人物なのですが、きっと若かりし頃であれば彼を許せなかったと思います。
(なにせ、残念なことにわたしは未咲ちゃんのように心が広く清らかではないからです)
でも、大人になった今、罪を償いたいという想いで動き出す彼に、心揺さぶら…続きを読む - ★★★ Excellent!!!気が付けば一気に全部読んでた。
寝る前に、ちょーっとだけ読もうと思ったんですよ。
ホントだよ。嘘じゃないよ。
気付いたら全部見てたよねェ、おかげでもう真夜中だよねェッッ!!!!(⌒ ͜ ⌒)
もうっ!私の睡眠時間どうしてくれるんですかァ!!?
…って嬉しい悲鳴上げちゃうぐらい、優しくて尊くてほろ苦い、自然と続きを追ってしまう物語でした。
登場人物それぞれの吐息が真横で聞こえてくるかのような、リアルな文体が魅力。
シビアな冒頭から進路や金銭面などの複雑な現実が描かれる一方で、ヒロイン・未咲ちゃんと、幼なじみ・志賀くんの初々しい恋愛模様は角砂糖のような優しい甘さで思わず表情が綻びます。ニヤニヤ。
ちなみに私はずっと志…続きを読む - ★★★ Excellent!!!コスモスの花束が紡ぐ、とある少女の成長物語
高校生の主人公・未咲が、最愛の母を亡くして一人になってしまうところから物語は始まります。
こんな事を言うと、シリアスで取っ付き難い様なイメージを与えるかもしれませんが、そんな事はありません。
なぜなら周りのみんなが、彼女の事を愛し、憂い、そして力になりたいと思ってくれているのですから。
バーのママ、小幸。
彼女の母とは十年来の友達で、彼女にとっても第二の母とも言える存在。
彼女の良き理解者でもあり、彼女の決断を優しく暖かく見守ってくれます。
途中で出てくる志賀勝利くん。
未咲ちゃんとは小学校からの付き合いで、しっかり者。
彼女に寄り添い、時には強引に、導くことの出来るのは彼だけでしょう。…続きを読む - ★★★ Excellent!!!まっすぐで美しい、彼女だけの花を咲かせていく物語
最愛の人の死。それは誰にとっても大きな影となるでしょう。まして、ただ一人の家族であるならばなおのこと。
それでも、まっすぐに前を向き、目をそらさずに歩いていく未咲の姿が私の心を強く打ちました。
彼女は決して強くはない。完璧でもない。けれど彼女の心は純粋です。純粋だからこそ、全力で泣いて、全力で努力して、全力で好意にも応えようとしている。文字に起こしてしまえば簡単なようにも見えますが、これって本当に難しいことだと思うのです。だからこそ応援したくなる。
未咲を取り巻くキャラ達も、非常に魅力的です。
小雪ママは、未咲の良き理解者であり、母親のようでもあり、友達のようでもある。
志賀くんは、未咲…続きを読む - ★★★ Excellent!!!未来を探り、過去に出逢う。涙とまらぬ夜をこえ、きっと幸せは花開くから。
母親との死別によって孤独になってしまった少女が、周囲の人々に支えられながら立ち直り、進路を選び、成長していく物語。少女から成人への過渡期にあるヒロインの悩みや恋が丁寧に描かれています。
母ひとり、子ひとり、それでも幸せだった毎日は、母の突然の死によって壊れてしまう。
まだ高校三年生だった未咲の前に立ちはだかるのは、進学かそれ以外か――という進路の悩み。自分の気持ち、経済的なこと、いろいろな要素で行き詰まっていた彼女に助けの手を差し伸べたのは、久しぶりに再会した幼馴染みの志賀君でした。
しっかり者で洞察力にたけた志賀君と純心で激ニブな未咲との恋模様は、もどかしくも安心感があり、読み手として…続きを読む - ★★★ Excellent!!!母の思いを辿りながら末来を切り開く成長物語
高校生の未咲は母親・美冬を亡くしてしまう。
父親の情報はあまり遺されておらず天涯孤独となった彼女は母の友人・小幸に支えられながら自ら歩みだす……。
連載中「16 芽吹く想い」読了時点のレビューとなります。
非常に洗練された文章で、軽いノリの小説というより文芸作品といった印象です。
このまま書店に並んでいても違和感なしの丁寧な描写、なにより主人公の精神的成長が嬉しい作品です。
極度な無理をせず、自身の立場と気持ちに正直な未咲は読者にとって等身大であり、大変共感できる感性を持っています。
母が遺した秘密を追いつつ、そこだけに囚われず、進路や恋に悩み、光を追い求める姿には勇気と希望を感じます…続きを読む