「お盆」を含む小説

在宅勤務が始まって一年、家で仕事をするのは慣れてきた。不意に部屋がノックされ、現れたのはいい匂いのするマグカップをお盆に乗せた妹だった。 カクヨム企画一回目！ お題は『おうち…

14年前、本名名義の企画出版でエッセイを出版したときは、地元の出版社だったため、郷土資料として地元の図書館が軒並み買ってくれていた。 しかし今回は、地元ではなく東京の出版社からの…

　 『この現実は君の青春で綴られている』 　第二次世界大戦の狼煙が見え始めた大正初期。 　日本で深刻な問題が起きていた。 　『神宿し事件』 　日本の、とある街、とある学園…

2020年、私は高校を卒業して一人暮らしを始めた。退屈な日常の中で、私は徐々に自分というものを見失っていった。お盆休みに帰省し、久しぶりに旧友たちと集まった私は、そこで二人の女性…

迎え火は、ご先祖様の霊が浄土から迷わずに自宅へと戻って来るための目印。 送り火は、お盆を自宅で過ごしたご先祖様の霊が浄土へ帰るのをしっかりを見送るためのもの。 いずれも玄関先など…

ここはとあるラーメン屋の店。 しかし、この店は何もかもが普通ではない。 風体はスキンヘッドに眉毛も剃り、サングラス。 お盆は閉店。夏のバカンスを楽しんだ後は黒く焼けた肌を人…

初盆には必ず故人が帰ってくるという風習がある村の話。

『私』は長男に嫁ぎ、娘１人、息子２人を産んだ。この家を狙う義姉と戦い、守り抜いたはずだった。 だけどあるお盆、珍しく揃った子供たちが告げた。「孫は、諦めて下さい」

　日系イギリス人・ジョン＝田中＝スミスは、ロンドン郊外に住んでいた。 　だが父から聞く日本への憧れを捨てきれず、三十九歳にして移住を決めた。一ヶ月の期限付きで。 　日本はちょうど…

　金魚球、 　という書き方は、当て字なのだと教わったのは、十一のころ、お盆祭りの夜でした。 ―― やはりこれは、金魚球、と書くのが正しいのではありませんか。 ―― どうして禁形魂…

僕らはいつもお盆の時期だけ、軽井沢の別荘地の小川で遊ぶ、 それだけのいい友達。 ファンタジー？ＳＦ？こんなお話しを書きたかったので‥ お付き合いお願いします。

どこにでもある話かもしれないが。

　夏。 　亡くなった姉の最期の恋人、和義は毎年、お盆の季節に縁側で煙草を吸う。 　妹の加奈はそんな和義の隣りに座る。 　和義の目には姉の姿しか映っていない。 　そう知りつつも、…

お盆は決まって梓 楓と会う約束をしてる清島 渚。しかし、彼女は数年前に事故で無くなった中学三年生のままの姿をした幽霊だった。 他界した人々が現世に戻れる一年で数日の日……お盆。お…

　七月中旬、五十三になる水本郁人は独身アパートへ夕方帰宅すると、二階からテレビの大音量を浴びる。この日に越してきたようだが、集合住宅のマナーの知らなさへ憤慨する。その日、三階の男…

　夏は死の季節であると思う。 　お盆然り、蝉然り、あの爽やかな夏空の下思っている以上に夏は陰鬱で満ちている。 　私は最近そう思うのだ。

毎回完結のホラー系ショート集です。 古い話ばかりで恐縮ですが、夜中に一話ずつ、六夜ほど語ります。

千夏は田舎に住んでいる女子高生。 毎年、夏と冬の休みにやってくる従兄弟の蓮ちゃんは都会に住んでいるのでうらやましくて仕方がない。 こんな田舎に毎年二回もわざわざ泊まりに来るなんて…

「まず最初に言っておくわ。私は幽霊でも妖怪でも、まして家出少女でもない。透明人間よ」 その出会いは突然だった。 お盆前の墓掃除から逃げてきた田舎の高校生「諏訪部情」は、真夏の…

恋愛経験ゼロの藤田健太郎は、高校時代の合唱部の後輩で、お盆の間だけこの世に甦る謎の少女、奈緒と恋におちた。 奈緒からもうこの世には戻らないと伝えられ、意気消沈していた健太郎だった…