「幻想文学」を含む小説

海に浮かぶ美術館。青年は作品展を観賞しようと美術館に来ていたのだが、誰もいない。諦めて帰ろうとするが、外に出られない。困り果てた青年は〈名も無い人物〉の作品展を観賞しながら、美術…

旅人は、鳥居峠という難所の手前、奈良井の街に立ち寄ると『すくみ』という疫病が蔓延していた。400年前に疫病を鎮めた神社の明神様も、動かず。これには理由がありそうで、どうやら謎は鳥…

フリーター、実家暮らし、三十歳独身。現代社会を無気力に生きる明星美夏（みょうじょう みか）は、父母の死を契機に完全に生きる意味を見失った。しかし一方で、生来の怠惰癖から死ぬほどの…

卒業式を間近に控えた高校三年生女子の碧が、人間も虫も動物も居なくなった世界で命を絶つまでの、七日間の話

真夏のある日、「私」は大叔母の元へガチョウの卵を1ダース届けるように頼まれ、駅を目指すことになった。 その道中で、「私」は奇妙な光景に出会うこととなる。 アルファポリス、小説…

とある女性から追体験をする、とある貴族の話。

私の住む山間部の田舎町には古くから伝わる伝統がある。 それは年明けの四日間、夜更けの神社で天狗の面を付けた少女が舞を踊る華天狗と呼ばれるものだ。 親戚たちに囲まれ、私は今年もそ…

涼香のベッドの飾り棚には、尾びれを美しく翻した透明な金魚の標本瓶が置かれていた。彼女は生物学者である父と二人暮らしだった。六つの頃に母の連れ子としてこの家に来たが、母はまもなくガ…

ファンタジーの世界のお話ですが、奇跡も魔法もありません。そしてやはり、滅びるものは滅びるのです。 国が滅びるということはどういう事か、国とは何か。そんなお話です。

3000文字ちょっとの短編小説です。お暇な際にお気軽にどうぞ。

炎天下に彷徨う青年の話。

歌に満ちた美しい「みどり」の森の中で一人の青年は目覚め、少女と出会う。青年は、自分が何者であるのか、この森がいったい何であるのか、なにもわからなかった。少女もまた同じだった。過去…

あのときも、甘い乳の雫をぽとりと落としましたような、美しい梔子が咲いていました。 舞台は、くちなしの香りが仄かに漂う北国の古い邸。 現在の家主であるミーシャのもとで暮らす…

生御霊語り（いきみたまがたり）　終活にふさわしい老いの繰り言集です。こんなコンセプトで。 「小夜子の憂き世」天に二物を与えられたのに、運命は厳しすぎた場合、努力で解決するもので…

世界が終わる日。鐘の音が響く中、青年は一人の女と出会う。 「小説家になろう」にも投稿しています。

大卒無職となった主人公が、ありあまる時間のなか、小学生時代を一緒に過ごしたはずの「たつみ」という存在をふと思い出す。 みずからの記憶を辿り、手がかりを得るために現実を徘徊し、そし…

月を売ってくださいと頼まれた少女のお話。 「小説家になろう」にも投稿しています。