「硝子」を含む小説

「ずっと一緒にいよう。」 幼い頃に誓った右大臣家の姫君、月鈴と身分の低い霞。 それは結ばれてはいけない約束だった。 「お前はこの世界の火種だ。月鈴。」 命を狙われる月鈴…

詩は心 　本心しか書いてはいけない 　　それがたった一つのルールだから 　

ある日突然、杉三に和裁を習いたいという青年、由紀夫がやってきます。彼は、天才的な才能を発揮し、和裁検定にも合格してしまう。しかし、彼の、引っ越したマンションの近隣にあるタウンハウ…

「どうして僕は、この世界に生まれたんだろう」 　雪の降る寒空の下、地竜と対峙する少年は独り呟いた。 「どうせなら、争いだけしかない世界に生まれてきたくなかった」 　天から来訪せし…

建物の屋上で雨が降り始める場面から話は始まります。 舞台は夏で、一人の女性の魔法使いの住んでいる町で連続首切り殺人事件が発生します。事件の犯人を追う魔法使いが奔走します。 深紫色…

昨日と同じ今日、今日と同じ明日、 世界は同じ時を刻み、変わらないように見えた。 だが、世界は既に変貌していた。 シンデレラ、それは初版から改稿されて人々に愛されるようになったお…

クラスメイトの海雪は独りを好む奴だった。修学旅行で行動を共にしたことで親しくなった希は、音楽を通して海雪との絆を深めていく。誰にも知られず、立ち入り禁止の屋上で過ごすふたりの、苦…

コンプレックスを抱いたまま高校に入った由衣。しかし、そこで会った真奈は、そのコンプレックスを容赦なく刺激していく。 由衣は素直になれない自分に我慢ならないながらも、真奈や周りの言…

幼馴染の小雪と桃は、幼い頃からの友だちのキスの習慣がぬけきらない。 だが小雪が抱いている想いは桃のものとは違う。いつまでも懐いてくる桃への想いを断ち切るために小雪は眼鏡をかけた。…

どうでもいいなと息を吐く。 喩え目の前で何が起きようが、きっとそれはおれには関係ない。 俺と世界の間には二次元とよりも随分ぶ厚い、硝子の壁があるのだ。 何故ならおれは傍観者。世界…

――あなたが微笑むと、世界が廻りだす こころに触れて、熱を確かめたい衝動を詩に。 大人の恋をテーマに据えて書いております。 一編でもお読みいただけたら幸いです。

「拒否権は……？」 「あ？　ないに決まってんだろ、そんなもん」 　路上で倒れた苦学生——羽柴茉莉花《はしばまりか》を自宅に連れ帰り介抱したのは、年齢不詳のおじさん——速水朔哉《…

僕が密かに『硝子の街』と呼んでいる、一つのゴーストタウンがある。そこは鏡の中の世界のように、そして、生命を吸い取られた屍の廃墟のように、ひっそりと世界の最果てで、呼吸をしていた。…

　　星の中　夢をみようとして 　　宝石をもたない体で 　　磨きつづけていたのは硝子　指を蝕むだけ―― 夏の夜と朝の狭間で、かつての夢と『再会』した、 シンガーソングライターに…

ホラー短編小説集です。各話は独立しているので、どこから読んでいただいても大丈夫です。 第１話【いぬのかお】……老母の遺体を処理するために、男が思いついたのは、衝撃的な方法だった…

かつて神話の時代、地上を征服した支配者達、竜(ドラゴン) 彼らが地上から姿を消して幾星霜……その脅威を忘れ去った現代、人類は再び竜の脅威に晒されていた 彼岸から舞い戻った竜の魂を…

『赤錆びと渇きの。』クリスマス短篇

この世のあらゆる出来事は、何かが因となり縁となって結実している。そうして生まれた果もまた、何かの因であり縁。それだけで成り立つ因や縁や果は存在しない。 あのとき、このとき、彼らは…

　‘私’賀茂梓は、伊月先輩に恋する普通の女子高生。バイト帰りに立ち寄った開店したてのガラス細工店『夢硝子』で、美人な店主さんに差し出された、好みストライクな簪を買ったの。だっても…