変彩宝石堂の研磨日誌~アレキサンドライトとクリソベリル~

鳴宮つか沙(旧:蒼衣ユイ)

プロローグ

 《罪悪のアレキサンドライト》は私達を繋ぐ石だと、変彩金緑石の瞳をした男は言っていた。


 しかし彼らが繋がっていたのは私ではなく私の死んだ弟だ。

 私達は死んだ弟によって引き合わされただけで、私達が望んだわけではない。

 ならば彼が私の弟の顔をして語ったのは誰の言葉だったのだろうか。

 私の幸せを願ったあの言葉は弟ではなく、彼らという第三者の作った台本だったのではないのだろうか。


 一体何が真実なのか、私は未だに分からないでいる。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る