概要
何故、彼女は自ら命を絶ったのか。何故、彼女はわたしにしか視えないのか。
言語に絶する美少女・心臓痕硝子の投身自殺から約一年。彼女の魔性の瞳は死後も人々を囚えて離さず、学院には彼女が遺したとされる「呪い」の噂がまことしやかに囁かれていた。亡き心臓痕を幻視する少女・貴家いたみは、「呪い」の謎を紐解きながら、彼女の死の真相に迫っていく。
※第一章「交霊会-Agape-」は完結しました。
※第二章「処女懐胎-Storge-」は完結しました。
※第三章「舞踏病-Philia-」は現在連載中です。
※第一章「交霊会-Agape-」は完結しました。
※第二章「処女懐胎-Storge-」は完結しました。
※第三章「舞踏病-Philia-」は現在連載中です。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!呪いという鏡の破片と繋がりの幻想
このお話の閉塞的で圧迫されながらも水を掻くように抗い押しのけながら進む、息苦しさと心地良い冷たさのあるこの空気感は、このお話に含まれる感情の虚ろと重さは、百合という枠組みに囚われず、好きな人は好きな空気だと思います。
事実私がそうなので。
それを綴る文章も、鼻の奥をすんと突く雨の匂いのような、感覚器の奥底を軽くひっかくような心地よい刺激を感じる美しく繊細で緻密なもので、内容としてやや難解で硬めなところはありますが、口に放り込んだ砂糖菓子のように、ほろほろと崩れてほどけて、ざらざらとした余韻を残していく、個人的にはとてもとても好ましい爪痕を残す文章だと思います。
2章の9まで読んだ所感として…続きを読む - ★★★ Excellent!!!境界を超えて「彼女」に魅入られる。
心臓痕硝子は完成された美少女だった。繊細な作り物のように見るものの目を奪うミステリアスな少女はしかし、一年前に突然亡くなってしまう。学校の屋上から飛び降りたとされる彼女。その亡霊がいつしか学校にオカルティックな儀式と結び付いた。「降霊会」で彼女の霊を呼び出すあそび……彼女の「呪い」が学校を支配していく。
心臓痕硝子という、強烈な個性を放つ存在が楔のように打たれた物語です。彼女は死んでいるはずなのに、「呪い」によって未だに畏怖され噂となり、生き続けている。硝子を視ることができるいたみとのやり取り、謎を掛け合わせることで深みが増していく関係性、そのどれもが魅惑的な世界観を見事に表現していま…続きを読む