むき出しの神経を風が撫でるような

息の詰まるような、そんな閉塞感のあるミッション・スクールを舞台にした、繊細で敏感な少女たちの物語。そこにあるのは、むき出しの神経を風が撫でるような、そんな思春期の痛々しい思い。青春を甘酸っぱいだとか、ほろ苦いというのは勝手だが、当事者にとっては出口のない迷路をさまようような、孤独との戦いの連続だ。どんなにたくさんの人や、教えに囲まれていても孤絶の中にいる少女たち――そんな痛々しくも瑞々しく、そして息苦しい、そんな先の読めない物語が展開されています。読み進めていくたびに新しい発見のある作品です。

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