鯨ヶ岬勇士

　落語のような口調で語られる物語に山本五郎(やまもとか、それともさんともか)という男に、朝食に味噌汁を作る妖怪の女房というくだりは蛤女房の話を思い出してしまいました。 　蛤女房で…続きを読む

　昔、どこかの生物学者の中で「他とは違う人を障害という括りにして社会のお荷物にするには間違いである。画一化された生物は環境変化に非常に弱く、さまざまな可能性を持った個体を生み出すこ…続きを読む

　イギリス・ドイツ産のワームに目を見た相手に畏れさせるワイバーン、ナッカーホールに住むナッカーやコカトリスなどなど......とドゥガルド・A ・スティール『ドラゴン学』シリーズの…続きを読む

　近年、農業を題材にした作品が小説、漫画、アニメ、ゲームと幅広いジャンルで大ヒットしている。そのせいか軽率に農地を踏み荒らす人々や病気を持ち込んでしまう事例が後を絶たない。 　それ…続きを読む

　眠れない夜、ふとスマホに映った新作情報を見て読みはじめましたが、短いながらも共感させられる傑作でした。 　外の世界を知らない雛、その世界は壺の端から端までという小さなものでした。…続きを読む

　巌流島の戦い——それを知らない日本人はほとんどいないことだろう。それだけ有名な決闘であり、吉川英治をはじめとする数多くの作家がそれを描いてきた。あるものは飛燕の遣い手に立って書き…続きを読む

父親の故郷の閉塞感を思い出しました...胸糞が悪くなるような、そんな田舎に蠢く形のない悪意みたいなものがあるけど、かえってそれが生々しい。怖くて嫌だけど、好きなんジャンルの作品です…続きを読む

　この作品を「ありがちな異世界もの」と侮ることなかれ。もし、この作品をそのように言う人が有れば、それはこの作品を味わい尽くせていない人だと思う。それほどのに濃密で重厚な作品だった。…続きを読む

　面白い反面、宗教学を学ぶ者として耳の痛い現実に満ちていると思いました。描写も、表現も、物語も非常に素晴らしくまとめられている。故にその痛々しさが生々しいと感じました 　宗教は火…続きを読む

きつねを巡るやわらかで、みじかい物語。頭が岩のように凝り固まった人にぴったりの作品かもしれません。

　第1話を読んでみての感想です。イギリス環境省のドラゴン担当の技官、ジェームスを中心にネットミーム的存在である「ドラゴンカー○ックス」を研究する物語！ 　しかし、単なるコメディで…続きを読む

《人魚》だった《人間》が、一人絶望によって、水を得た魚とは真逆の、陸に上がった河童のように、力を失って《人間》へと落ちていく姿は読み手も絶望へと落とします。最後、水を奪われて喉が干…続きを読む

息の詰まるような、そんな閉塞感のあるミッション・スクールを舞台にした、繊細で敏感な少女たちの物語。そこにあるのは、むき出しの神経を風が撫でるような、そんな思春期の痛々しい思い。青春…続きを読む

少年の日の思い出の中で語られる妖怪。それはどこか懐かしいものでした。 「岐阜県の妖怪が怖かったら、岐阜県も怖いところになってしまう。」 茶目っ気のある妖怪たちから感じる、悪戯小僧の…続きを読む

MM9を読んだことのある人間、特撮作品が好きな人間にはたまらない作品です。MM9本編からドラマ版へ繋がるストーリーも良いですが、私はその細部を彩る特撮小ネタがたまらなかたったです！…続きを読む

　情景描写にこだわり、その時に抱く心理を細やかに表現しており、感銘を受けました。 　誰しもが経験したことのあるような気怠い午後から、あの爽やかな懐かしの日々まで、まるでその場に戻っ…続きを読む

　その一つ、一つから情景が色鮮やかに浮かんでくるような、素晴らしい作品でした。 　和歌には、懐かしい思いを抱いたり、少し立ち止まって考えてみたりと人の心を動かす力があることを再認識…続きを読む

　一体、何故それが行われているのか、それは当事者にもわからない。されど、そこには何かの息づかいが聞こえるよう。そんな、地方に伝わる民間伝承や民話の雰囲気が出てたと思います！ 　これ…続きを読む

　怪物や魔獣が住む世界で生きる人々。それらを狩る者に、それらに怯える者。その全てが重厚かつ美しく描かれていて、素晴らしいと思いました！月並みな言葉かも知れませんが重厚かつ読み応えの…続きを読む

実に共感できる内容でした。カクヨムは自由度が高い分、応援コメントで自分の小説論に反する人に攻撃したり、その人を貶すことができてしまいます。しかし、小説の魅力、いや言葉の魅力とはそれ…続きを読む

読ませていただきました。緻密な描写、風の匂いすら感じさせる表現、串刺し公と呼ばれた男の人生、どれも重厚で素晴らしかったです。手垢のついた表現となってしまいますが、「おもしろい作品」…続きを読む