概要
硝子は歩いて地面を啄む。夜が編み込まれた翼があるのに羽ばたかない。
僕は家から帰ったあとに散歩に出かけるのだが、彼女はいつも散歩先にいる。
「なんで飛んで餌を取りに行かないの」
と僕が言うと硝子はつん、と済まして言う。「私の翼は虫けらを啄むためにあるんじゃなイ」
おお、なんて盛大な自尊心だ、と僕は思う。その時はそのままその場を後にした。
次の日も彼女はそこにいた。てくてくと歩いては地面を啄み、また啄みを繰り返す。そしてときおり大事そうに翼を嘴で手入れするのだった。
「なんで飛んで餌を取りに行かないの」
と僕が言うと硝子はつん、と済まして言う。「私の翼は虫けらを啄むためにあるんじゃなイ」
おお、なんて盛大な自尊心だ、と僕は思う。その時はそのままその場を後にした。
次の日も彼女はそこにいた。てくてくと歩いては地面を啄み、また啄みを繰り返す。そしてときおり大事そうに翼を嘴で手入れするのだった。
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