「日常の文学」を含む小説

夏の夜のぎらぎらとした月の光。 瞳に反射するきらきらとしたイヤリングの輝き。 アタシが貰ったなつの話。

大好きな女の子、みゆに釣り合う男になるためなら、ぼくはどんな努力も惜しまない。 今日はみゆの誕生日。今日のぼくのミッションは二つ。プレゼントをわたして、もうひとつは……。 ぼくが…

昔吸っていた煙草の味は、弟の吸っていた煙草の味になってしまっていた。 弟を亡くした姉の煙草から、煙が出るまでの話。

彼氏とお城に夜桜を見に行く 花冷えの日なんだけど、いっしょにいるとあったかいね ５分で読めるショートショート　１０１作品目！ 隙間時間にどうぞ

仕事を辞めて、実家へ出戻りした龍太は、田舎町で日々を無為にすごす。 希死念慮から目をそらしつつ前を向こうとするが、少しずつ自分が狂っていくような感覚を認識し始める。

死にたさを糧にこれからも生きよう

月の稼ぎが十万円も満たない掃除夫として働きながら、四十を越えても実家暮らしの私は母の面倒を見続けている。 春のような二月のある日、弁当屋のテレビコマーシャルを見ていた母は新商品の…

あの味をきっと、忘れてしまっただろうから

長年の両片思いを実らせて幸せ一杯の美葉と正人。二人の前に謎の親子が現われる。強く結ばれていたはずの心が揺らぎ、己の性に翻弄されていく。 二人を見守る仲間達もまた、辛い現実と向き合…

幼少期から何をやらせても卒なくこなし、人当たりも良い親切な少年だった否己影太（いなきえいた）──だが彼は、上を見上げれば果てしないこの世の中で何をしても自分の能力は中途半端だと感…

僕の愛車はフォルクスワーゲンポロ・６N。 妻には「ボロ」と呼ばれるその車にはエンジンスターターなんて便利な機能はない。 時代遅れの愛車は妻がまだ彼女だった頃からずっと、僕達の思い…

閉塞した片田舎から上層に這い上がった女は、身の丈を現すように東京で地の底を這いずり回るように暮らしていた。 絶望に次ぐ絶望があった。しかしそれでも本当の意味で希望を失えないでいる。

喫茶店、ぬるい暖房にあたりながら〈彼〉とコーヒーを飲むショートショート （2,000字未満）

母の実家を訪れた “ぼく” は、家は昔の形をとどめていたとしても、そこに住む人々の関係は変わってしまうのだということを、知ることとなった。………… 「家」をテーマにした、ごく…

いつも真面目な学級委員長、隅石さん。そしてそんな彼女を取り巻くクラスメイトたちと僕。 無邪気な小学生だった僕らは、いつまでも変わらないものと、いつしか変わってしまうものを知る。…

心の病気を抱えていたり、心が迷子だったり。そんな人たちが愛とか友情とか、ありがとうとかごめんなさいとか、そういうものにたくさん触れながら立ち止まったり進んだりする話。 SSのよ…

人権を売った。 借金がかさんだもので、藁にもすがる思いで出品したらなんとなんと10億円。 一生遊んで暮らせる。 妻も仕事をやめた。 ちょっち生きづらいけど、ぶらぶら行こうぜ。

閑散とした駅の地下道で、ぼくは雲にあった。

何もかもが嫌いになってしまう朝と、何かを変えたいと思う亮一と、旅行がしたい幼馴染の、どこにでもある普通の日常。 大好きな曲の歌詞を、自分なりに参考にして小説に書き起こしてみまし…

ひとつの手紙を頼りに、人の気配のない海沿いの街に来た。