概要
二人を見守る仲間達もまた、辛い現実と向き合う事になる。
出産を控えた佳音はトラウマにさいなまれ夫との関係に影が差す。
健太は新たな恋に戸惑い、皆の兄的存在の悠人も悪化する家族との関係に心を乱されていく。
それぞれの課題を乗り越えて、再び北の大地で手を取り合う事が出来るのか。
「あの娘が空を見上げる理由」第三部となります。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!赦さないのは赦せないものがいるから。本当に赦されるべきものは?
この物語の主の人物たちは「赦さない人」を抱えています。でも、本当は分かっているのです。すぐに赦すこともできるのです。そして赦そうとします。でも、いざ赦そうとしたとき、心の奥底にいる「赦せない人」が目を覚まします。
この物語の多くの人物の心にはこの「赦せない人」がいるのです。
「赦せない人」が心を支配したとき、再び「赦さない」という思いで赦そうとする相手を攻撃し、後悔し、苦しみます。「赦せない人」がいるから「赦さない」。負の輪廻は永延と続きます。
その苦しみのなか、やがて一人一人が気づいていきます。「赦せない人」の正体を。その人を許さない限り、前には進めないことを。
赦すべき人…続きを読む - ★★★ Excellent!!!揺れ動く心の行方は。
「あの娘が空を見上げる理由」の第三部です。
第一部から続けて読むほどに、登場人物たちへの感情移入が強くなることでしょう。高校生だった彼らが大人になり、新たな地での困難を乗り越え、今回は更に降りかかる複雑な問題に直面し、迷いながらも助け合って立ち向かっていきます。しっかりと前を向こうとする姿には、渾身のエールを送りたくなります。
これまで露わになっていなかった心の奥底にある葛藤や悲しみに向き合う彼らに、幸せになって欲しいと切に願いたくなります。
文章は丁寧で読みやすく、躓くところなく読み進められます。
揺れ動く心の行方を最後まで見届けたい、そう思わせてくれる物語です。 - ★★★ Excellent!!!人間関係がいっそう絡まり合うシリーズ三作目!(本作からでも楽しめます)
本作は、北海道と京都を主な舞台とした群像劇の三作目です。
シリーズものとはいえ、作中できちんと過去も語ってくれるので、本作から読み始めても大丈夫!
むしろ、濃密な大人の人間ドラマを楽しみたい方には、三作目の本作をお勧めしたいです。
複数の人物の目線で進む物語ですので、境遇や職業も様々。それなのに、どの人物像にもリアリティがあり、作者様の知見の広さには脱帽です!
特に複数種類のお仕事が、まるで実際に体験されたかのように描写されていることに、シリーズ通していつも驚いています。
(物凄い数なので、全ての職業に就かれたご経験はおありではないと拝察しています。ご経験者でしたらすみません……!)
ま…続きを読む - ★★★ Excellent!!!生き生きとした登場人物たちが織りなす群像劇
第一章まで読んだ時点でのレビューです。
『あの娘が空を見上げる理由―赦し―』は、北海道を舞台にした人間模様の群像劇。
本作は『あの娘が空を見上げる理由―憧憬―』『あの娘が空を見上げる理由―結―』につづくシリーズ三作目にあたります。
この三作目から読んでも大丈夫です。自分も本作から読みはじめたのですが、物語にすんなり入りこめました。
むき出しの感情であったり、はたまた繊細な機微を著者が丹念に描くことで、登場人物たちはみな生き生きとしています。わけても、手作り家具工房を営む家具職人の正人と、京都でスペースデザイナーとして働いている美葉とのやりとりには、微笑ましさを感じました。
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!大人に読んで欲しいドラマのような物語
北海道を舞台に繰り広げられる群像劇。
三部作目ということですが、登場人物と今までのあらすじを載せてくれているので安心してください。
わたしはここから読み始めたので、作者さんにたびたびアホな質問をしましたが、優しく丁寧に教えてくれました。おかげで、新参者ではありますが、あっという間に登場人物たちに愛着を感じるようになりましたよ。
多彩な登場人物たちの設定がしっかりしているので、まるでドラマを見ているような錯覚に陥ります。
ときめいたり、ハラハラしたり、イライラしたりと大忙しですが「最後まで彼らを見届けたい」そんな気持ちにさせてくれます。
大人たちのドラマを、ぜひあなたも覗いてみてくださ…続きを読む