MF文庫J「頭脳系ラノベフェス~知略&ハッタリ系主人公募集~」結果発表!



2/3~3/6の期間で開催された、MF文庫J編集部による自主企画イベント「頭脳系ラノベフェス」の結果発表を行います。
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MF文庫J「頭脳系ラノベフェス~知略&ハッタリ系主人公募集~」結果発表

応募総数、なんと125作品!
想像を大きく超える作品数のご応募、本当にありがとうございました。

学園もの、異世界、異能バトル……本当に様々なジャンルで、知略・知謀溢れる物語が展開されていました。レビュー賞に選ばれた作品には、競馬がテーマの作品から戦国時代のような世界観を舞台にした作品まであり、頭脳が活躍できるフィールドは無限であることを痛感しました。

審査の結果、奨励賞を1作品、レビュー賞を5作品、選出いたしました。
それでは、選出作品の発表です。

奨励賞

『探偵候補生・黒鵜白羽の挑戦』

kakuyomu.jp ワクワクする設定、ピンチの切り抜け方、それを支える文章力など、全体的なクオリティが一段抜けており、奨励賞として選出いたしました。
ただ、主人公に訪れるピンチの規模、緊迫感の演出など、まだまだ伸びしろもたくさんあります。
また、それぞれのキャラクター描写が足りておらず、感情移入しにくいという懸念もあります。
それでも、しっかりとした世界構築能力には評価すべきものがありました。
今後にとても期待しています。

レビュー賞

『アイドル姉妹、ろあ&あんずは知略で罠を仕掛けます!』

kakuyomu.jp アイデア面で勝負を仕掛けてきた作品でした。
非常に短い、よく言えばサクサク読める、悪く言えば物足りない作品ではあったものの「アイドルが競馬の八百長で復讐を図る」というとても興味を引かれるコンセプトは魅力抜群です。
ただ、前述の通り非常に短く、ネタを消化し切れてもいない惜しい状態です。
とはいえ短編は筆力向上に適しています。多作による研鑽を積み、今後の糧としてください。

『ジャイアント・マウス』

kakuyomu.jp ハッタリだけの主人公という、ある意味でもっともこのフェスらしい作品でした。
コメディタッチなテンションや主人公の能力はとてもよく、一体この能力でどんなジャイアントキリングをかましてくれるんだろう、とワクワクする導入でした。
ただ、肝心の物語の展開の方で、能力を使い切れなかったという印象があります。
ハッタリをかますためには、まず「本来なら絶対勝てない相手」だと読者が思えるような敵・状況を設定する必要があります。
この主人公の活躍がより映えるような展開になるよう、工夫してみてください。

『樹治名将言行録 ~鐘山環伝~』

kakuyomu.jp 十分な文章力で戦国時代風のオリジナルな世界観を描けている、秀作でした。
主人公たちの窮地やそこからの脱し方にも、しっかりとした説得力がありました。
一方で、物語の展開にいずれも派手さがなく、小さめの出来事の連続で進むため、全体的にスケールの小ささも感じます。
背景世界には十分な設定を感じますので、それに見合う壮大な物語を期待します。

『コントラクト・エンゲーム』

kakuyomu.jp いわゆる一般的にイメージしやすい「頭脳・心理戦のデスゲーム」というジャンルを掴み、外連味を注入して作品作りに取り組めています。
可能ならば、よりこの作品ならではのハッキリとした設定と要素を立てることができたなら、作品としてもう一段階上のクオリティに到達できたでしょう。
不利な状況からの勝利の爽快感についても、もう一歩踏み込んで描写できれば、よりカタルシスを強く演出できます。
好きを詰め込んだ先にあるオリジナリティの発露を期待します。

また、期中に掲載が取り下げられたため対象除外となりましたが、『正義の味方と僕 改稿版』という作品が話題に挙がりました。
荒削りではあるものの、丁寧な筆致で心情を描けており、展開についてもよく練られておりました。
本来であればレビュー対象ではございませんが、光る物を感じたのもまた事実。今後のご活躍を楽しみにしております。

(MF文庫J編集部有志)


受賞作はいずれも個性的な魅力のある秀作でした。
しかし、残念ながら選ばれなかった作品にも、多数の力作があり、参加編集者一同、大変楽しませていただいたことをここにお伝えいたします。

なお受賞された皆様へは、後日賞品発送に関するご連絡を差し上げます。
第一回「頭脳系ラノベフェス」にご応募いただき、本当にありがとうございました。