概要
警視庁は「ピィ事案対策課」という組織を設立した。
その組織が何を取り締まっている組織なのかわからず、庄司孝介はこの「ピィ事案対策課」に配属となる。
そして、この事案を知るとき、庄司は、いや人類は既成概念を根こそぎ覆すような出来事が見えないところで育っていることを知る。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!あまりに不条理で、あまりに面白い
「風が吹けば桶屋が儲かる」に曲解による曲解を重ねて完成したような、不条理な小説
まず、サブタイトルが面白い
「カール・ギブソンがシュートを止めると、日本は国際社会から一歩遠のく。」
「台東区を工事中のクレーンに鳥が止まる間、鮎川瑞穂は眠りにつく」
「報道官制が敷かれると、葛原奈々美の二日酔いが治る。」
まさしく「風が吹けば桶屋が儲かる」だ
そして、読み進めていけば、このサブタイトルこそが伏線になっていることがわかるだろう
たとえ不条理な出来事があっても、それがどれほど不条理な流れであっても、必ず原因は存在する
こんな小説、初めて読んだ
※アカウント利用停止措置を受けたため、本レビューは…続きを読む - ★★★ Excellent!!!未知の現象の背後にある真の原因を見つけ出せ!
ある日埼玉を中心に、突然英語が話せなくなるという症状が発生する。病院が調査したものの患者の脳内に特別な変化はなし。刑事である庄司孝介はこの謎の現象の原因について調査するよう命じられ、「ピィ事案対策部」という怪しげな部署に異動させられる。
本作ではこうして突然起きる不条理な現象の正体に対して一切触れない。問題とするのはどのような状況で事案が発生するかであり、その時の共通点だけを調べひたすら原因を遡っていく。
奇妙な事案を扱っているようで、調査の方針自体はわりと古典的だ。しかし、奇矯な言動を繰り返す謎多き上司、捜査に不慣れだがやたらと腕の立つ女性警察官。スパコンを使いこなすデータマイニ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!開始2話目で常識が吹き飛ぶ!意味不明さに立ち向かえ!……どうやって?
非常におすすめの作品です!
この作品は『ピィ事案』と呼ばれる、あまりにも不可解で非常識で意味の分からない、それでいてほっといたらとんでもないことになる事象に立ち向かう刑事たちのお話です。
ピィ事案対策課が出来て初めての事案を扱った、言わば始まりの物語と言っていいでしょう。
当然、意味の分からないことを相手にするのですから、もう何も分かりません! 全てが手探り状態からのスタートです。
何をしようとも真相に手が届かなくて、霧は晴れなくて、しかしこちらは次第にすり減って、読んでいて絶望感に苛まれます。
しかしそれでも地道に原因を探ろうとする主人公たちの姿に胸を打たれます!
歴史を振…続きを読む