突如異世界に来てしまった主人公のサバイバル小説。地球とはかけ離れた環境で生き抜く不屈の男を描いた作品だ。
この小説で描かれる世界は余りにも厳しい。
森を抜ける、山を越える、それが如何に難しいことかをまざまざと見せつけられる。
遭難することの恐ろしさがリアルな筆致で描かれ、さらに異世界要素が加わりその険しさに拍車がかかる。
あまりにも深い森、想像を越える峻険な山岳の描写が「ここは遥か異界の地」なのだと読者に突きつけるだろう。
そんな異世界でも、主人公は諦めない。
「お前は 凄いよ。こんなことになっても、全然挫けないし 諦めない。生きることを やめようとも しない。俺も元気 凄く・・・貰った。」
これは作中、主人公に向けられたセリフだが、このセリフがこの小説を表している。
主人公は諦めない。ただ諦めないということがどれだけ難しいか、どれだけカッコいいか。
悲しみや後悔に沈みそうになる心に喝を入れて立ち上がる主人公を、思わず手に汗を握って応援してしまう。
過酷な環境だからこそ垣間見える人間の汚い本性。だが、だからこそ、人との繋がりがより一層鮮やかに引き立っている。
苦難に次ぐ苦難、地獄すら生温く感じるほどの苦境の中でもギラギラと闘志を燃やす主人公に、読者は心を奪われるだろう。
この小説で描かれるのは、命と矜持を賭けた、異世界サバイバルだ。
遥か異界の地で、不屈の男、千巌万壑の道を往く!!
チートなく、安易なご都合主義もないので、それらに食傷気味 の方はぜひ読んでいただきたい作品です。
とにかく主人公はポジティブでタフ。人があっさり死んでいくので、最初は少々重たく感じることもありますが、主人公の前向きな性格とタフさに、暗いと感じることはなく、地べたを這いずりながら力や魔法を身につけていく過程と、困難を乗り越えていく過程に、他の作品には感じないリアル感と爽快感を感じます。
百舍重趼東方旅情編では他のノベルではスルーされがちな大山脈越えの怖さがこれでもかと描写されているので、山岳小説が大好きな方なら、そうだよな、で、これからどうなっていくんだ?と目が離せません。
このような物語はなかなかないので、ぜひ多くの人に読んでもらいたいです。
激熱!胸熱!手に汗握る戦闘!
日和ったなんちゃって異世界に辟易している人へ。本物はここにあるぞ!
ガチのサバイバル、転移者同士の争い、病気、言葉・文化の壁、身分格差、種族差、貧困、魔物、魔法、迷宮、飢餓・渇き…
およそ思いつく困難に全てぶつかり、何度も死にかけながら生き残る!
無慈悲な異世界で生き抜く泥臭い主人公。不器用ながらも文字通り死ぬ様な努力と意志で、己の筋を通す生き様がカッケェ!
本編5〜6章が特に凄い!
他作品含め、圧倒的な敵は沢山いるけれど、ここまで主人公を絶望させる敵はついぞ出会ったことがない…
思わずそれを曲にしちゃったぜ!(ネタバレなし)↓
業魔(feat.夏色花梨)【ボカロメタル投稿祭2023】
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