概要
その部屋はかつて愛で満たされていた、しかしやがて酒に満たされていった。
長年同棲していた彼女にフラれた、派遣会社で働くワーキング・プアでアルコール依存症者でもある「オレ」は、「虹の橋のふもと」で、いつか自分が成仏してやって来るのを待っているであろう、かつての飼い猫・大太(だいた)を思った。……自分がかつてそれはそれはひどい酒のみで、飼い主としても失格だったために、まだ6歳(人間でいう40歳)という若さでお星さまになってしまったペットの大太を……。リーマンショックに派遣村。派遣切りから日雇い労働。生活保護や東日本大震災。そして猫カフェ。憧れていたお洒落な部屋での生活と猫の飼育。幸せだった彼女との同棲生活。やがて突然訪れる痛いくらいに切ない破局。そしてアルコールへの自虐的なまでの耽溺と底つき体験。……果たして「オレ」は新たなる希望を求めて断酒会への入会を決意し、酒の
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